多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!
第103回目はカナダ。世界第2位(外務省カナダ基礎データ:令和6年8月5日より)の広大な国土面積を持ち、雄大な自然に恵まれた国です。今回はカナダで生まれ育ったというフローレンスさんからヨーグルトを使ったカナダの伝統料理を教わりました。
趣味は読書とハイキング。家の中で観葉植物を育ててみたり、食卓に花を飾ることも好きで、最近、生け花を習い始めました。
私はカナダのオンタリオ州トロントで生まれ育ちました。両親はイタリア南西部のカラブリア州の出身で、家族の多くはイタリアとカナダに住んでいます。私は両国の二重国籍を持っています。
国土が広大なのでカナダの気候は地域によって異なります。でも、ほとんどの地域で四季があります。私の出身地であるオンタリオ州では、1月と2月は氷点下まで気温が下がり寒い冬となります。最も暑いのは7月と8月で、平均気温は20度台後半から30度台前半です。カナダ人の多くが秋が大好きです。紅葉(カナダには森林地帯が多い)や日中の快適な気温、さわやかな夜が楽しめるからです。
カナダは多文化国家ですので、さまざまな国の食文化が存在しています。カナダの食と言えばサーモンが有名ですが、マスなどの淡水魚、そしてロブスター、肉はラムやポークも多く生産されます。鹿肉も人気で、ヘラジカ肉もおいしいですよ。農産物では、ベリー類やカラントがよく育ちます。オンタリオ州では、夏と秋にスイートコーンや桃、ストロベリーなどがとれます。
ピクルス、ヨーグルト、各種チーズはカナダ各地で生産され消費されています。特にケベック州はチーズ製造の長い歴史があります。サワークリームやカッテージチーズ、そのほかのたくさんの種類のチーズを食べています。
カナダ人の多くがヨーグルトをよく食べます。朝食やヘルシーなデザートとしてはもちろん、学校でのスナックタイムに子どもに食べさせることもあります。ここ5~10年はプロバイオティクスヨーグルトが大人気です。
ツアティエール・パイは、スパイスを効かせたひき肉とパイ生地で作るミートパイで、浅いパイ皿で焼き上げます。カナダのケベック地方に由来し、17世紀から存在しています。もともとはケベック州のクリスチャンがクリスマスの時期に提供していた料理ですが、現在では一年を通じて食べられているポピュラーなカナダ料理です。カナダの伝統的なレシピでは、肉はヘラジカなどの鹿肉を使いますが、今回は牛肉と豚肉を使い、さらに野菜をたっぷり加えました。ビーフブイヨンの代わりにヨーグルトのホエー(乳清)を使い、肉の上にヨーグルトを乗せてパイ生地で覆い、焼き上げます。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
400g
合いびき肉(豚肉と牛肉)
300g
玉ねぎのみじん切り
1/2個分
にんにくのみじん切り
1片分
じゃがいも
1個
※1cm角に切る
にんじん
1/2本
※1cm角に切る
セージ(乾燥)
小さじ1
オレガノ(乾燥)
小さじ1
タイム(乾燥)
小さじ1
黒こしょう
小さじ1
シナモン
小さじ1
ナツメグ
小さじ1/2
クローブ(パウダー)
小さじ1/2
塩
小さじ2
ホエー
1カップ
マスタード
大さじ1
※またはハニーマスタード
グリーンピース
1/2カップ
パイシート
2枚
打ち粉
適量
バター
適量
溶き卵
1個分
ヨーグルトは冷蔵庫で一晩水切りする(ヨーグルトから出たホエーは後で使うため捨てずにとっておく)。
フライパンに油をひかずにひき肉を中火で炒め、焼き色が付いたらいったん器に移す。肉から出た余分な油はキッチンペーパーでふき取る。
2のフライパンに玉ねぎ、にんにく、じゃがいも、にんじんを入れて炒め、ひき肉を加えてよく混ぜる。
3に、Aを加えて1分ほど炒める。ホエー、マスタード、グリーンピースを加え、汁気がほぼなくなるまで弱火で15分ほど煮込む。火からおろし冷めたら、冷蔵庫で一晩休ませる。
台に打ち粉をし、パイシートをパイ皿より大きめに伸ばす。パイ皿にバターを塗り、薄く粉を振って、パイシートを敷き、4の半量を敷き詰め、水切りヨーグルトの半量をスプーンですくって乗せる。残りの4とヨーグルトも同じように重ねる。
もう一枚のパイシートを上からかぶせ、底のパイシートのはみ出た部分と3cmほど重なるようにする。パイシートの端をつまんで密閉し、余分なところは切って整える。
ナイフの先でパイの表面に切り込みを入れ、溶き卵を塗る。※余ったパイシートは、好きなクッキー型で型抜きをして飾ってもOK。
190℃に予熱したオーブンで約45分焼き、パイが黄金色に焼きあがったら、15分ほど冷ましてできあがり!
サクサクのパイを切り分けると、中から肉汁と一緒にたっぷりの野菜が顔を出します。水切りヨーグルトがまるでチーズのような風味。満足感のある一皿です。
(by記者)
フローレンスさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!