多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます！
第55回目はタジキスタン共和国。キルギス（北）・アフガニスタン（南）・ウズベキスタン（西）・中国（東）と国境を接する中央アジアの国です。今回は、タジキスタンの隣で食文化が似ているウズベキスタン出身のウマロヴァ・ズルフィヤさんに、ヨーグルトを使った料理を教えていただきました。
子育て真っ最中！もうすぐ2人目が生まれます。最近は故郷の懐かしい料理やお菓子、パン作りにはまっていて、完成した料理をSNSに投稿して楽しんでいます。
私はウズベキスタン出身で、タジキスタンと国境を接するサマルカンドで生まれ育ちました。食文化はタジキスタンとほぼ同じです。今回はタジキスタンの友人にも話を聞きながら、質問に答えたいと思います。
私が日本に初めて来たのは2007年です。国際交流基金の海外日本語教師研修のプログラムで来日し、日本をもっと知りたくなりました。ウズベキスタンに帰国後、日本語教師として数年働き、再び日本へ。さらなる日本語のレベルアップのために大学院に入学しました。現在は日本人と結婚し、家族で暮らしています。
タジキスタンの国土はほぼ山岳地帯であり、遊牧民族の食文化がメインです。肉料理と麺料理を中心に、こってりとした油っぽい料理がよく食べられています。山岳地帯という土地柄、野菜をあまり栽培できないため、野菜は貴重です。
タジキスタンでよく食べられている乳製品はたくさんあります。牛乳をはじめ、プレーンヨーグルトや水切りヨーグルト（スズマやチャカ、チャッキーなどと呼ばれています）、サワークリーム（スメタナ）、クロテッドクリームに似たカイマク、そしてクルトなどがあります。クルトとは、水切りヨーグルトをハーブなどで味付けし、丸めて乾燥させたものです。ケフィアも、タジク人の日常生活に欠かせない乳製品です。
日本のようにデザートとして食べることはあまりないです。例えば、野菜のドレッシングとして使ったり、肉料理や麺料理の上にかけたり、パンにディップしたり、パン生地を作るときに使ったりします。
クルトブは、元々遊牧民の料理です。徐々にタジキスタンの家庭料理として定着しました。クルトブの材料は、前述した“クルト”とパン（ナン）です。クルトは、水で戻してヨーグルト状にして使います。クルトブは、近年、レストランのメニューでも見かけるようになり、種類が豊富になりました。夏は野菜、冬は炒めた肉をトッピングするなど、季節や好みによってアレンジがしやすい料理です。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
300g
水
150ml
塩
小さじ1/2
唐辛子パウダー
適量
塩
小さじ1/2
砂糖
小さじ1
水
100ml
牛乳
100ml
強力粉
300g
ベーキングパウダー
3g
溶かしバター
20g
サラダ油
大さじ1
卵黄液
卵黄1個と牛乳大さじ1
トマト
1個(大)
きゅうり
1本
玉ねぎ
1個(中)
ハーブ(ディル・パセリ・
パクチーなど)
適量
青ねぎ
4〜5本
塩
適量
こしょう
適量
唐辛子パウダー
適量
バター
50g
※パンは、トーストしたフランスパンやチャパタなどでも代用できます。
パンを作る。ボウルに塩・砂糖・水・牛乳を入れて、塩がとけるまで混ぜ、強力粉とベーキングパウダーを振り入れて10分ほどこねる。水気がなくなり、なめらかで弾力のある生地ができたら、ラップをかけて、常温で10～15分ほどおく。
1に打ち粉をし、薄く大きな円になるまで麺棒で伸ばす。溶かしバターとサラダ油を混ぜ、生地の表面に塗る。
2を帯状になるよう包丁で6等分に切り、3枚ずつ2つに分ける。まず1枚目の生地を手前から両手でクルクルと巻き、それを2枚目の生地にのせて一緒に巻く。
3枚目の生地も同じように一緒に巻いたら、生地の両端を押さえて閉じる。
残りの3枚の生地も同様に巻き、できた2つの生地にラップをかけて常温で20分ほどおく。
5を直径15〜18cmの円形にのばし、フォークやピケローラーで表面に穴をあける。
卵黄液を表面に塗り、180℃に予熱したオーブンで25～30分ほど焼いたらパンのできあがり。(お好みで炒りゴマを振りかけて焼いてもOK)
サラダを作る。トマトは食べやすいサイズに乱切り、きゅうりは薄い半月切りにする。玉ねぎは薄切りにし、1/3を水にさらして辛みを抜く。ハーブはみじん切りに、青ねぎは小口切りにする。切った野菜をボウルに入れ、塩、こしょうと唐辛子パウダーを入れて混ぜ合わせる。
フライパンにバターを溶かし、残りの玉ねぎ2/3を入れ、しんなりするまで炒める。
冷やした水とヨーグルト、塩をボウルに入れ、よく混ぜる。盛り付けの直前まで冷蔵庫で冷やしておく。
盛り付ける。少し深さのある大皿を用意し、食べやすい大きさにちぎった7を乗せ、10をまんべんなくかける。パンを覆うように9を乗せて唐辛子パウダーをかけ、さらに8を盛り付けたらできあがり！
パンは生地が何層にもなっているため、見た目よりもしっかりした硬さがあります。ですので、ヨーグルトに浸すとほどよい柔らかさに。塩気のあるヨーグルトと野菜との相性もよく、食が進みます。お肉とも相性抜群！ぜひお試しください。
(by記者)
ズルフィヤさん、ありがとうございました！
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに！
