ヨーグルトでめぐる世界の食卓

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多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!

コロネーションチキン・サンドイッチ

第70回目はイギリスです。イングランド東部に位置するリンカンシャー州出身のスチュワートさんに、ヨーグルトを使ったイギリスの伝統料理を教わりました。

今回の案内人

イギリス
スチュワートさん [Mr. Stewart]
Niki’s Kitchen英語料理教室の英国カントリー料理教室講師

主な趣味はガーデニングです。広い庭が欲しかったので、都内から埼玉県飯能市の里山に引っ越しをしました。庭では花を植え、菜園もあります。週末はパートナーとゲストハウスを営んでいます。

来日したきっかけを教えてください。

日本との関わりは、イギリスにキャンパスを持つ、日本の大学の仕事に就いたことから始まります。1998年のことでした。仕事は、日本の学生がイギリスに留学するための準備などが主で、毎年、日本で6カ月間、イギリスで6カ月間過ごしていました。4年後、私は日本でフルタイムで働くことを希望し、それ以来、20年ほど日本の大学や高校で英語教師として勤務しました。現在は早期定年退職し、地域のカルチャースクールで英語を教えています。

スチュワートさんが生まれ育った、イギリスのリンカンシャーはどのようなところですか?

私の故郷は、イングランド東部にあるリンカンシャー州、グリムスビー(Grimsby)という小さな港町です。(リンカンシャー州での一番の有名人は、故・サッチャー元首相です)漁業が盛んで、魚介類が豊富です。また、漁港から少し離れると農業地帯や酪農地帯も広がります。私の学生時代の夏休みのバイト先は、グリーンピースやその他の豆、人参などを加工する冷凍食品会社でした。

イギリス(リンカンシャー)で人気のある乳製品を教えてください。

リンカンシャーで最も人気がある乳製品はチーズです。地元では「レッド・リンカンシャー」と呼ばれる赤く硬いチーズが有名です。チェダーチーズに似ていて、濃いオレンジ色をしています。古くからこのチーズは、「リンカンシャー・プラム・ブレッド」(甘いプラム入りのパン)と一緒に食べられています。

今回教えていただく「コロネーションチキン・サンドイッチ」について教えてください。

コロネーションチキンは1953年に誕生しました。イギリス政府は、エリザベス2世の戴冠(たいかん)式を国民に祝ってもらいたかったのです。このレシピは、大英帝国時代の食材(カレーペーストなど)をできる限り多く使って考案されました。イギリスでは、結婚式や記念日のような王室の重要なイベントを祝う際、国民はしばしばストリートパーティを行います。コロネーションチキンは、このようなイベントによく登場します。

「コロネーションチキン・サンドイッチ」の作り方

【材料】4人分

  • 明治ブルガリアヨーグルト
    LB81プレーン

    大さじ2

  • 鶏むね肉

    200g

  • マヨネーズ

    大さじ2

  • マンゴーチャツネ

    大さじ2

  • ※またはフルーツチャツネ

  • マイルド味の
    カレーパウダー

    小さじ1

  • コリアンダー
    (パクチー)

    ひとつまみ

  • サンドイッチ用パン

    12枚切り1斤

  • バター

    適量

  • クレソン

    適量

  • ※またはベビーリーフ

  • step.1

    鍋に水を適量入れ、沸騰させたら鶏むね肉を入れてふたをする。火を消し、余熱によって鶏むね肉に火を通す(約10分)。

  • step.2

    鶏むね肉を鍋から取り出して冷まし、手で小さくちぎって、ボウルに入れる。

  • step.3

    2にヨーグルト、マヨネーズ、マンゴーチャツネ、カレーパウダー、コリアンダーを入れて和える。

  • step.4

    パンにバターを塗り、3とクレソンを乗せ、その上にパンをかぶせる。

  • step.5

    4を食べやすい大きさにカットして出来上がり!

コロネーションチキン・サンドイッチの感想

コロネーションチキン・サンドイッチ

やさしいカレー風味とスパイスが効いた、フィンガーフード。大人も子どもも思わず手が伸びます。火を使うのは鶏むね肉を茹でるときだけで、あとは材料を混ぜれば具は完了。とても簡単に海外の料理を味わうことができます。年末年始など、人が集まるときにもぜひお試しください。
(by記者)

スチュワートさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!

#70

イギリス United Kingdom
首都:ロンドン / 通貨:スターリング・ポンド /
言語:英語(ウェールズ語、ゲール語等使用地域あり)