多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理と母国の食文化、乳製品についてお聞きします!
第12回目はイタリア共和国です。南北に長く伸びた国土で、アペニン山脈が半島の中央を縦断しているため、気候の地域差があるイタリア。豊かな食文化が育まれた国です。今回は南イタリア出身のフローレンスさんから、イタリア料理を教わります。
中学校の英語教師とNiki‘s Kitchen英語料理教室の講師を担当。
出身はイタリアの南部です。2004年に単身で来日し、北九州で英会話講師として2年間働きました。夫とは九州に滞在していたとき、和太鼓サークルで知り合いました。現在は東京在住です。中学校で英語を教えたり、英語料理教室の講師をしています。
来日した当初は、料理に砂糖を入れる煮物などの甘い味付けに驚きました。でも〝筑前煮〟は九州の郷土料理ということもあり、食べる機会が多かったので好きになりましたよ。
イタリア南部は空気が乾燥していて温暖です。多くの山々と海に囲まれているこの地域は、昔、北アフリカとギリシャに支配されていたので、これらの国の食文化の影響も受けていると言われています。特産物はレモンやオリーブ、アーモンドなどのナッツ類、チーズ類やワインなど。北イタリアの料理はバターをよく使うのに対し、南はオリーブオイルを多用します。
チーズです。牛ではなく、山羊の乳から作られるチーズが多いかと思います。種類も豊富で、例えば「ペコリーノチーズ」は硬く、独特の風味があります。最近日本でも徐々に知られるようになった「リコッタチーズ」は、脂肪分が多くコクがあります。どちらもシチリア島が産地です。ほかには、カラブリア州が発祥の「ブロボローネチーズ」があります。温めると長く伸びるハードチーズで、これは牛の乳から作られます。
私の両親が子どもの頃は、ヨーグルトを食べる習慣はあまりなかったようです。ここ20〜30年くらいで、だんだんと浸透してきました。健康的で簡単に食べることができるからです。日本の一般家庭同様、市販のヨーグルトを朝食に食べることが多いですね。チョコレート味やコーヒー味など、日本であまり見かけないフレーバーも売っています。最近ではギリシャヨーグルトが人気です。イタリアは牛乳の質がいいからなのか、ヨーグルトがとても美味しいと評判です。
「セミフレッド」という名前は、〝セミ〟(半分)と〝フレッド〟(冷たい)という言葉が由来で、半解凍で食べるドルチェです。本来はクリームチーズを使いますが、水切りヨーグルトを代用してヘルシーに仕上げることができます。2カ月くらい冷凍庫で保存できるので、子どものおやつにもいいですし、切り分けられるので、ホームパーティにも喜ばれますよ。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
(水切りしたもの)
大さじ5
ピスタチオ
50g
ヘーゼルナッツ
50g
砂糖
60g
水
大さじ2
生クリーム
200ml
卵黄
2個
エスプレッソ
100ml
砂糖
100g
ヨーグルトを一晩水切りし、水切りヨーグルトを準備しておく。ピスタチオとヘーゼルナッツは袋に入れ、細かく砕いておく。
砂糖と水を耐熱容器に入れ、湯煎で溶かす。
生クリームを角が立つくらいの固さまで泡立てる。
別のボウルに卵黄と2のシロップを入れ、ハンドミキサーで白っぽくなるまで混ぜる。
4のボウルに、水切りヨーグルトを加えよく混ぜる。そこに3のホイップクリームとナッツ半量を混ぜ、ヘラで切るように混ぜる。最後に少しだけハンドミキサーで混ぜ、全体をなじませる。
クッキングペーパーを敷いたパウンドケーキ型に5を流し入れ、ラップをし、6時間以上冷凍させる。
エスプレッソソースを作る。エスプレッソと砂糖を小鍋に入れ、混ぜながら弱火で煮立たせる。とろみが付いたら火をとめ、冷ましておく。
6が凍ったら皿にあけ、残りのナッツ、エスプレッソソースをかけて出来上がり!
しっかりとしたコクを感じるアイスケーキ。ピスタチオやヘーゼルナッツの食感が楽しく、上からかけるエスプレッソソースとのハーモニーがたまりません! 材料も作り方も簡単ですが、見た目は豪華。冬でも暖かい部屋で食べたくなるドルチェです。(by記者)
フローレンスさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!