2011 3Mar.

世界遺産 リラの僧院

ソフィアから南へ車を走らせること約2時間半。小さな村々を通り抜けると、リラの壮大な山並みが見えてきました。この山の更に奥深くに、リラの僧院はひっそりと厳かに佇んでいます。

リラの僧院の歴史は10世紀に遡り、14世紀から500年間に及ぶオスマン帝国の支配下においても、この場所だけはブルガリア語での祈祷やキリスト教信仰が許されていました。ブルガリア人にとっては精神的且つ文化的な拠り所となってきた重要な場所だと言われています。

門をくぐった瞬間、青い空と真っ白な雪で覆われたリラ山脈を背に、鮮やかな色彩と特徴的な白黒の縞模様を持つ聖堂がパッと目に入ってきました。澄みきった空気が敷地内を流れ、この空間だけ時間が止まったかのようです。見事な木彫りに金色の塗装が施された聖堂内は息を呑むように美しく、訪れた人々が厳粛な面持ちでロウソクに火を灯し祈りを捧げ、傍らで祈祷する神父の抑揚ある声が幻想的に響いていました。


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