2016 3Mar.

あったかいスープとパンが定番です

お鍋にたっぷりのスープとパンがあれば、おなかも満足の、立派な食事になります。ブルガリアでも、これは定番の食事スタイルです。

ブルガリアにはいろんなスープがあります。ブルガリアのガイドブックには牛の内臓を使う「シュケンベ・チョルバ」というスープが代表的な料理の一つとして載っています。(チョルバはトルコ語でスープのこと)その他にも羊肉を使う「コルバン・チョルバ」、牛肉を使う「スヴァレナ・テレシュカ・スパ」や、肉団子を入れる「スパ・ナ・トプチェタ」もあります。

さらに、肉を使わない「クレモヴァ・スパ」というクリーミーなスープは、マッシュルーム、ホウレンソウ、ジャガイモなど、具材を変えて楽しめます。白豆のスープ「ボブ・チョルバ」やレンズ豆「レシュタ」というスープも日常的に食べられていて、家庭では大きな鍋で何日分もいっぺんに作って食べたりしているようです。

でもそんな中、どこの食堂でも、またどこの家庭でも人気なのが「鶏のスープ」というそのままのネーミングの「ピレシュカ・スパ」です。骨付き鶏肉が手に入ったら作りたくなるスープで、一緒にニンジンや玉ねぎなどの野菜を煮るのですが、忘れてならない具の一つがフィデです。これはバミセリのような細いパスタを砕いたもので、入れると少しとろみがついて腹持ちが良くなります。そして、このスープの味の決め手となるのが卵とヨーグルトです。二人分ではヨーグルト大さじ3と卵1コを仕上げに入れるのですが、この入れ方が独特で、まず鍋の火を消し、ヨーグルトと卵を混ぜ合わせたものに少しスープを加えながら、泡立て器で丁寧に分離しないように混ぜ、よく混ざったら鍋に投入して出来上がりです。なので、このピレシュカ・スパは熱々ではない状態で提供されます。また、温め直すと最後に入れた卵が凝固してしまうので、たくさん作りすぎないように気を付けます。

このピレシュカ・スパだけでなく、ブルガリアではそもそも「熱すぎるスープを出すのは失礼にあたる」という常識があり、たいてい日本人の私にはちょっとぬるめ… しかしこれがブルガリア式のおもてなしのようです。


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