ブルガリアの夏の果物の一つにベリーがあります。木イチゴと総称されているラズベリー(малина, malina,マリナ)と、ブラックベリー(къпина, kapina,カピナ)は、とても身近な食べ物です。庭に植えている家庭も多く、とげがない品種改良されたものが人気です。郊外に行くと、道端のいたるところで、たくさんとげがあるベリーを見つけることができます。ブルガリア人は、庭だけでなく、道端になっている実も収穫し、夏の間はデザートとして楽しみ、残りは保存用のジャムにして、冬が来たらパンやヨーグルトと一緒に食べることが大好きです。
日本では桑の実、英語ではマルベリーと呼ばれているチェルニッツァ(chernitsa, черница)も、ブルガリア中どこでも生えています。道路に落ちたものを鳩がつついているのをよく見ます。赤黒い実だけでなく、日本ではあまり見かけない白い実がなる桑の実もあります。白い実の方は、甘みが控えめでさっぱりした味わいです。
ブルーベリー(боровинка, borovinka,ボロヴィンカ)は、これらとは一線を画すベリーです。ブルガリア人にとって、ほかのベリーとブルーベリーとの大きな違いは、生息地です。ブルーベリーは、高地に自生しているもので、手に入りづらく、市場では他のベリーよりも価格が高いです。
私が実際に見たのは、2000メートル級の山に挑戦したときです。花は白やピンクではなく赤みがかっていて、日本でよく見かける種類とは違います。そして自生しているものなので背が10センチくらいでとても低く、実も小さいです。
市場では、ラズベリーとブルーベリーはキロ単位で売られていて、日本よりも安く買うことができます。ただ旬が短いので、1~2週間しか出回りません。スーパーに行けば夏の間中、パックで売られています。
残念ながら、今年のブルガリアは雨が少ないためにブラックベリーは不作で、市場でも道端でも見かけませんでした。来年に期待します!