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ブルガリアの南西部にあるブラゴエフグラッドからギリシャ方面に20キロほど南下すると「Полето」(Poleto, ポレト)という小さな村があります。ブルガリア語で「原っぱ」という意味のこの村に住む友人宅で一カ月間、田舎暮らし体験してきました。
ポレト村は住人が約600人しかいません。例えばブラゴエフグラッドに通うにしても、一日に5本くらいしかバスが出ていないので、車を持っていない場合の生活は不便です。スーパーもないので、ブラゴエフグラッドのスーパーで食料品と水を買いだめし、重い荷物を持って、バスに乗り、そして村のバス停から家まで歩くというかなり重労働が強いられます。
村内では山羊や羊、鶏が飼われており、夏の間はコウノトリも電柱に巣を作っていて、雛の成長を見ることができました。まるで動物園に住んでいるような気持ちにさせてくれます。
また、村の周りはすべて緑に囲まれているので、少し歩けば川や山の中を歩くことができます。高台に少し上るだけで、眼下にはポレト村以外の近隣の村々までの景色が広がり、遠くには山々を望むことができます。
ポレト村ではこれといって特別なことはせず、友人と夕涼みや散歩をしてのんびりと過ごしました。街と違うと感じた点は、道がアスファルトではないことや、ほかの村人とほとんどすれ違わないことです。外でマスクをしている人に会ったこともありません。人が多い街とは違い、マスク生活からも解放されます。
交通が不便ではありますが、自然や動物に囲まれた田舎暮らしはとても魅力的でした。これまで私は、ブルガリア人は週末になると田舎へ行き、平日は街で仕事をするという生活をよく見聞きしていました。実際、疑似体験をして土地や家を2つ以上持っているブルガリア人ならではの生き方だと思いました。
村の中の様子。どこを見ても背景には山が見える
家の反対側から見た村の様子
村の中で飼われているヤギ
目の前に見えている山に登るための道。途中でアスファルトは消えるが、速度規制の標識があることに驚いた
村の中で出会った雄鶏。3時くらいから鳴き始める
電柱の上に作ったコウノトリの巣。雛たちの頭が見える