車というわけでもないのに、ブルガリア語で「運転する」と言う表現を使うスポーツがあります。それはウィンタースポーツのスキーとスケート。どちらも何かの上に乗って滑走すると言う点では「運転する」と言う言葉は正しいのかもしれません。そんなスキーとスケートですが、ソフィア市のすぐ後ろにそびえるヴィトシャ山にスキー場があるとはいえ、スキーがそんなに手軽なスポーツとは言えないのに対し、スケートはより手軽にできるスポーツとして楽しまれています。
クリスマスも近づくこの季節、ソフィア市の中心部にある「ボリソヴァ・グラディナ」(ボリス公園)の池がスケートリンクに変身します。テントの中ではありますが野外スケートリンクです。
冬の間だけの仮設のスケートリンクですが、貸しスケート靴も荷物預けもきちんと窓口があり、定期的に氷の整備も行なわれるので意外と快適にスケートが楽しめるんですよ。
自前のスケート靴でスイスイ滑っている若者たちに加え、パパ、ママと一緒にリンクに入る小さな子供の姿も見られます。
「こわいよ~!」
「ほら、しっかり手すりにつかまって!」
でも普段転んでも何ともない元気な子供たちですから、氷にもすぐ慣れキャーキャー歓声を上げながら滑りはじめます。リンクのすぐ隣にカフェが併設されているので、親たちは滑れるようになった子供たちを横目に見ながらコーヒーやビールで一休み。
首都ソフィアにはこのようなリンク以外にも、ショッピングモールの中に小さなプラスチック製スケートリンクが設置されていたり、さらにはきちんと競技のできる本格的なスケートリンクもあります。「ズィメン・ドヴォレッツ」(冬の宮殿の意)はその一つです。ここでは毎年フィギアスケートのジュニア世界大会が行なわれ、数年前には、宮原選手や宇野選手など現在日本のスケート界のホープとして世界で活躍している選手たちもここで滑りました。このリンクは室内で、子供たちへのスケート教室も開かれているようです。
さあ、今年もうちの近所にリンクができたら絶対滑りに行こう!