2019 2Feb.

雪のドナウ川~ルセ

1年で一番寒い時期、雪が降る中、ドナウ川沿いの都市「ルセ」を訪ねてみました。まるで、白い綿帽子をかぶったような、雪景色の美しい街です。「東欧の小パリ」とさえ言われた、ブルガリアらしくない、西欧的な美しさのある街並み。市の中心部には市役所、裁判所などの政府機関と、オペラ座などの市民の文化娯楽施設が集まっていて便利です。クリスマスから新年にかけての時期には、イルミネーションやスケートリンク、氷の彫刻の展示などが飾られ、楽しく過ごせるようになっています。

ルセは、ルーマニアと結ぶ「友好記念橋」があることでも重要な都市です。ブルガリアの西側のヴィディン市には新しい橋や、ドナウ川を渡すフェリーも何か所かありますが、この「友好記念橋」の交通量が一番多いです。また、この街や他のブルガリア北部の人々は、ソフィアから出かけるよりも、ブカレストの国際空港からヨーロッパ各国に出かけることが多いです。また観光においても、ソフィアからよりも、ブカレストからツアーで観光する人が多いそうです。そして、この街から20kmほど離れたところにある「イヴァノヴォ岩窟教会群」とのセットツアーが人気です。この「イヴァノヴォ岩窟教会群」は、切り立った岩の岩窟に描かれたフレスコ画として有名です。世界遺産にも指定されており、ブルガリアとルーマニアを巡る多くの日本人ツアーにも必ず含まれる、有名観光地です。

また、ルセにはブルガリアの民族復興運動で、オスマン・トルコからの解放に命をささげた人たちがまつられている「パンテオン」があり、この町は歴史的にとても重要であったことが分かります。
現在でもドナウ川沿いという地の利を生かして、街は生産や物流、交通の拠点の役割を果たしています。そして、この街には大学もあり、若い人々が多く住んでいるのも特徴です。日本語を教える学科もあるそうですよ。ここは、ソフィアと違って、住所とは別にアパートの住居棟一つ一つに「ペテル」、「イヴァン」、「アントン」などの人名が付いていて、とても興味深かったです。


  • イヴァノヴォ岩窟教会群の入り口

  • ブルガリア民族復興を支えた「ババ・トンカ」の像

  • オペラ劇場

  • ドナウ川と水上レストラン

  • ドナウ川と「友好記念橋」

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