ブルガリア南西部に位置するラズログ(Разлог,Razlog)は、1019年にビザンツ帝国の皇帝が教会にあてて送った手紙にでてくるほど古い街です。「ラズログ」という名前は、「山の間の谷」という意味があります。その由来通り、この街はピリン山脈とリラ山脈とロドピ山脈の間に位置しています。近年、その3つの山脈を一望できる展望デッキがつくられたことを知り、訪れました。
今回は天気に恵まれ、展望デッキから3つの山脈をすべて見ることができました。他の山脈よりも標高の低いロドピ山脈の雪だけが溶けており、標高の差を目でも感じることができました。ラズログの街自体が標高812mと高く、冬は厳しい寒さですが、360度のパノラマで3つの山脈を一気に見られるこの場所は、訪れる価値があると思います。
ラズログの方言も、ブルガリアでは有名です。ブラゴエフグラッドと直線距離で約35kmしか離れていないにも関わらず、標準ブルガリア語とまったく異なる単語を多く持っています。例えば、豚のことを標準語では「プラセ」(прасе,prase)と言いますが、ラズログでは「グダ」(гуда,guda)です。名詞だけでなく動詞も違う単語があるため、年配の方のお話を聞いても理解できないことがたくさんあります。これは外国人の私だけでなく、ほかの街のブルガリア人も同じだそうです。
私は、ラズログの湧水はブルガリアで一番おいしいと思っています。昼は、その水で養殖された魚のメニューがあるレストランで、ランチをしました。ブルガリアで食べる川魚はパサパサしているものもあるのですが、湧水で育ったここの魚は新鮮で脂が乗っており、とてもおいしかったです。