2022 6Jun.

文化の違いが楽しいサッカー観戦

ブルガリアで一番メジャーなスポーツといえばサッカーです。毎日のようにヨーロッパ中のサッカーの試合がブルガリアのテレビで放映されるため、家庭でよく観られている印象があります。ブルガリア国内のプロサッカーリーグは2部制で、私が住んでいるブラゴエフグラッドには、1部リーグに所属している「ピリン」(ФК Пирин,FC Pirin)というサッカーチームがあります。1922年に設立され、今年の6月にちょうど100周年を迎えます。今年から2名の日本人選手がピリンに所属したと知り、興味が湧いたのでさっそくサッカー観戦に行ってみました。
ブラゴエフグラッドの街の外れには、7000人収容できる「フリスト・ボテフ」(Христо Ботев,Hristo Botev)と呼ばれるスタジアムがあります。スタジアムは、ピリンのチームカラーである緑色を基調とし、建物の壁にはチームシンボルである鷹が大きく描かれています。このチーム名やシンボルマークは、ブラゴエフグラッドがピリン山脈の麓にあること、そしてその山から飛んできた鷲の一匹がこのチームになった、という意味が込められているそうです。

これまで私はヨーロッパのサポーターは攻撃的で怖いという印象があり、試合を観に行くことに二の足を踏んでいました。しかし実際に行ってみると印象が変わり、今まで行かなかったことを後悔するほどとても楽しいものでした。ピリンの今回の対戦相手は、熱狂的ファンが多いことで有名なチームで、二者のチームのサポーターとの間に警察が入って人の壁を作っていたり、試合を無料で見ようと山に登ってスタジアムの外で観戦している人たちがいたりと、これまで自分が見たことがない様子に試合前から興味深かったです。私の席は敵チームの席から距離があり、周りは味方チームのファンだけだったので怖い思いはしませんでしたが、試合中でも発煙筒が使われたり、観客の上に爆竹が落ちて救急車が来たり、トイレットペーパーがフィールドに投げられたりと、日本ではなかなか遭遇しない過激な光景を見ました。しかしこれだけ盛り上がっていても、自分のチームが負けそうになると、試合終了前にそのチームを応援する観客の大半が帰ってしまい、残念でした。サッカーの観戦は、国や地域の文化の違いをはっきりと感じる、とても面白い経験でした。


  • 建物に大きく描かれているチームシンボル

  • スタジアム。遠くにピリン山脈がみえる

  • チケット売り場

  • 試合観戦中。手をあげるジェスチャーをして文句をいっている観客

  • アウェイチームとホームチームのファンの間には、
    警察が壁を作っている

  • 発煙筒。アウェイチームから

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