日本でもおなじみのジャガイモ、玉ねぎ、にんじん・・・日持ちして体にも良い食材はどの家庭でも切らさずにストックしています。さらにブルガリアでは別の根菜類も加わります。その一つがビーツです。ブルガリア語で「ツベクロ」といいますが、ロシア語でも同じ呼び名です。ブルガリアより北のウクライナなどではビーツは「ボルシュ」つまりボルシチの材料として欠かせません。ボルシチのあのおいしそうな赤い色の元はこのビーツなのです。
ボルシチのように火を通してやわらかくして食べる食べ方は東欧からバルカン地方において一般的なようです。ゆでた後にサラダにするととても甘く、ビーツ本来の味がします。塩や酢、ひまわり油やオリーブオイルで和えるのは定番ですが、ここに「コプル」(英語ではディルというハーブ)や「クヴァセナ・スメタナ」(サワークリーム)を加えるとよりこの地方のおいしさを楽しめます。他にもビーツに合うトッピングはブルガリアではどこでも手に入る「マグダノス」(イタリアンパセリ)や胡桃、にんにくのみじん切り、普通の酢の代わりにレモン汁やバルサミコ酢もよく合います。
ブルガリアで一番よく食べられる調理方法は、生のまま皮をむいて細かく千切りにし、同じく千切りにしたにんじんと混ぜたサラダで、特に旬の秋冬シーズンにはどこでも目にします。味付けは塩、コショウ、酢、オイルが定番で、他にはマヨネーズが合います。カリッと焼いたトーストにのせて食べるのがおすすめです。ヨーグルトをよく食べるブルガリアでは夏の間「冷たいボルシチ」といって、ヨーグルトにビーツを混ぜて冷製スープにして食べたりもします。
吸収されやすい鉄分やビタミン、ミネラルを豊富に含むビーツは体によく、特に貧血などの時に血液の力を高めるとこちらでは信じられていますし、日本でも「食べる血液」と話題になっているようですね。スーパーでビーツを見つけたら是非試してみてください。難しい調理は必要ありません!