もう野暮ったく重い冬服は全部洗ってしまいたくなるような、まぶしい日差しが嬉しいこの時期のブルガリア。気分は半袖に素足にスニーカー、なのですがまだこの頃は雨の日も多く季節が逆戻りして肌寒くなることもあります。
春から初夏にかけて、ブルガリア中で美しく咲くのがライラックです。ブルガリアでは特別な花ではなくどこにでも咲いているので、人々はこの花が咲いているのを見ると花の枝を折って家に持って帰りたくなるようです。でも、折ってしまうと水揚げが悪く、すぐ萎れてしまいます。日本では木の花は「水切り」したり、切り口をあぶって少し焼いたりすると水揚げがよくなり長持ちするといわれているので、それをブルガリア人の友人たちに教えてあげています。
ライラックは歴史のある街並みによく映える花です。ソフィアの有名なアレキサンドル・ネフスキー大聖堂の周りにも咲いています。またブルガリア中北部のロヴェチ市にはライラックの大きな群生があり、市の紋章にもライラックの花が取り入れられ、この季節にこの町を訪れるとその美しさに本当に感動します。ただこの花のシーズンは短く、タイミングを外してしまいがち…
家にこの花を飾りたいと思えば、ソフィア中心部の市場周辺で田舎のおばあさんたちから買うことができます。自分で木から花を折り取らなくても、薄い紫だけでなく濃い紫色や白などいろいろな色のライラックの花を買うことができます。家のテーブルに飾るととたんに家が華やかになります。小さな花一つ一つが小さな星のような形でキラキラしているせいでしょうか?初夏の始まるを告げる可憐なライラックが私は大好きです。皆さんもぜひ機会があればこの季節の光あふれ美しく花の咲くブルガリアにおいでください!