ブルガリアでは、名前ごとのお祝いの日、ネームデーがあると先月ご紹介しましたが、12月から1月にかけてはニコライの日をはじめ、アナの日、イヴァンの日、ヨルダンの日などネームデーがたくさんあります。特にクリスマスあたりは連休が長くなるように、政府があえて1~2日程度休みの日を設けています。そのかわり、12月中の指定した日に振り替えて出勤しなければなりません。
今回は1月6日に行われた“ヨルダン”に由来する名前のネームデー、ヨルダンの日の話をご紹介します。
ヨルダンの日は他のネームデーのように、ただヨルダンという名の人に「今日はネームデー、おめでとう!お元気でね」とお祝いするだけでなく、水や川を奉ります。それはキリストがヨルダン川で洗礼を受けたことに由来するといわれています。
この日は大きな川や湖、海のある街では、神父さんが手のひら大の十字架を冷たい水へ投げ込んで、水着の人が十数人、水の中へ駆け出し、競い合って十字架を追います。そして十字架を手にした人が一年中健康であると信じられています。
最近は少し変わった儀式があるといいます。それはバラの谷に近い山中の街カローフェルで行われる儀式で、1月の寒い中、男性は普段着ない民族衣装を身に付けたまま、凍りかけの川に入って伝統的な楽器のバッグパイプを吹き、ドラムを叩いたり手を繋いで踊ったりします。神父が投げた十字架も、誰がとっても最も若い参加者に譲ります。今年は4歳の可愛い男の子が十字架を手にしていました。
マスコミなどで報道され、この儀式を見にカローフェルを訪れる観光客が年々増えてきています。今年はハスコヴォという街でも同様にこの儀式が行われたようで、これからはもっと色んな場所で楽しめるのではないでしょうか。ヨルダンの日がまた楽しみになりました。