古くからトラキア人の要塞として栄えたブルガリア北西部最大の町、ヴラツァ(Враца,Vratsa)を訪れました。バルカン半島の名前の由来にもなっているバルカン山脈、またの名をスタラ・プラニナ(Стара планина, Stara planina)の一部であるヴラツァ山の麓に位置しています。今回はブルガリア人の友人宅に泊まり、ブルガリア的一般常識をたくさん教えてもらい、とても勉強になる旅行になりました。
町の中心部には、フリスト・ボテフ(Христо Ботев, Hristo Botev)の像が建っています。彼はオスマン帝国からの解放のために働いた革命家であり詩人で、ブルガリア人は学校で必ず彼のことを学びます。ブルガリアの国中に彼の像はあり、彼の名前を冠した建物や施設もさまざまな場所に建てられています。オスマン軍によって殺された彼の遺体がさらされた広場がヴラツァだったこともあり、この場所はブルガリア人にとって特別な場所だそうです。
友人宅があるチェロペク(Челопек, Chelopek)村は、ヴラツァよりも標高が高く、ヴラツァ山の東の麓に位置します。ブルガリアのある物語の主人公のもとになった人物、ババ・イリィツァ(баба Илийца,baba Iliitysa)の出身地として有名で、彼女が生まれた家がきれいに保存されています。
この村は昔から山道の運搬用にロバを飼っている家が多かったのですが、現在はとても少ないそうです。私は初めてロバの鳴き声を聞いて驚きました。とても大きく独特で村中に響き渡り、滞在中は毎朝この鳴き声で起こされました!
次回は、バルカン山脈を登山したときのことをお話しようと思います。