「Бистрица」(Bistritsa・ビストリッツァ)という名前の小さな川は、ブルガリアのあちらこちらにあります。この名前は、「きれいな・澄んだ」という意味の「бистър」(bistar・ビスタル)が由来です。きれいな川なら、ビストリッツァと名付けているのかもしれません。そしてそういった川が流れている町や村の名前も、ビストリッツァと名付けられている場合があります。私が知っているだけで、ブラゴエフグラッドに一つ、そしてその隣町と首都のソフィア近郊にも一つずつこの名前が付いた村があります。ブルガリア内のほかの場所にも、また、ブルガリア以外のスラブ語圏の国にもこの名前の川や村が存在します。
天気の良いある日、友人たちと紅葉を楽しみながら、日帰りで「ビストリッツァ」という名前が付いた滝を見に行ってきました。車で違う町のビストリッツァ村まで行き、そこに車を停め、滝までの散策をスタート。この村はリラ山脈の麓に位置していて、1500人くらいが暮らしています。ここにはリラ山脈へのトレッキングの入り口があり、今回はそのルートを使って、村から滝まで片道2時間弱をかけて登っていきます。途中、町の方面を見渡せる展望台から、ビストリッツァ村の一軒家が並んでいる様子や、遠くにドプニッツァという町の共産主義時代に建てられた白い団地群を見ることができました。望遠鏡がなくてもクッキリ見えたことに感動しました。
だんだん温度が低くなるのを感じながら、砂利道を進み、山肌の紅葉の景色をゆっくり楽しみました。ビストリッツァ滝は、高さはあまりありませんでしたが、前の週に雨が降っていたこともあって水量が多く迫力がありました。
その後、友人たちにきのこの採り方を教えてもらいましたが、慣れていない私が見つけられるのは毒キノコばかりでした。友人の大好物は、「Mлечница」(Mlechnitsa・ムレニッツァ)、日本語では「アカハツタケ」とよばれるオレンジ色のきのこです。見分け方は、カサを切ると緑の汁がでてくるかどうかだそうで、たくさん採ることができました。帰路につき、そのきのこを調理。本当に食べられるのか、疑ってしまうような色合いでしたが、バターで炒めて食べると肉厚でジューシー。とてもおいしかったです。