首都ソフィアから高速道路を2時間ほど東に行くと、ブルガリア第二の都市プロヴディフに着きます。今でこそ「第二の」と言われますが、歴史的にみるとこの辺りではかえってソフィアこそ田舎で、このプロヴディフの方が重要な都市でした。というのも黄金伝説で有名なトラキア人の住む地方の中心であり、またギリシャ時代には日本人にも馴染みのあるアレクサンダー大王の父フィリッポス二世にちなんで「フィリポポリス」、さらにはローマ時代、ベオグラードとコンスタンティノープル(今のイスタンブール)を結ぶ街道の重要都市として栄えていたからです。
この街はとてもユニークな観光スポットです。ローマ式の劇場(今でも現役)をはじめとするローマ時代の遺跡、重要な都市として地位を誇っていたトルコのオスマン朝時代やブルガリア民族復興期の影響を受けた町並みや建物を見ることができます。
ソフィアから車でこの街に行くとその度に道に迷ってしまいます。町のそばを流れるマリッツァ川にかかる橋、7つの丘と旧市街にはばまれて碁盤の目でも放射状でもなく雑然と交差する新市街の道路、そして道が細く家々が道にはみ出すように出窓を構える旧市街、石畳の小路には歩行者や路上駐車の車があふれ、一方通行や車両進入禁止区域も多く決められているので、もうお手上げ。地図やカーナビに気をとられていると事故を起こしてしまいそうです。行きたい方に行けず、くねくねと細い道を走っていると、このままローマ時代に行ってしまいそうです。旅行でいらっしゃる方はソフィアからバスや鉄道が便利です。市内は徒歩で散策になりますが車ほど迷わないのでご安心を。