ブルガリア北西部のベログラトチクにある古城、ベログラトチク要塞。岩の上に作られた古い砦の写真は世界的に有名です。理由は、Windowsの起動時に表示される風景画像のひとつだからです。
しかし、交通の便が悪く、泊りがけの旅行が必須の場所でした。首都ソフィアから出ているバスは1日1本しかなく、帰りのバスも早朝しかありません。車で行くとしても山を越えるため、ソフィアから約180キロしか離れていないにもかかわらず3時間以上かかります。
この要塞は、1世紀のローマ帝国時代に最初の一部分が建てられました。敵の攻撃から守るためというよりは、見張りを置くためにこの場所は機能しました。中世の間も活用され、近世も1885年にセルビアとの戦争の時に使われました。自然の円になって、入り口が一つしかないので、難攻不落の城という雰囲気があります。
急な階段を何段もあがり、岩を登っていきます。昔は、現在のような鉄製の階段や手すりが設置されていなかったそうです。登り切った頂上からは、面白い形の岩が切り立っている姿や町を眺めることができます。山が延々と続いているバルカン山脈を目の前にし、この山々が黒海まで続いていくのかと海に思いをはせました。この山脈の反対側は、セルビアの国境を越えて続いています。
一番高い岩は200メートルほどあるため、町のどこからでも石群が見えます。そのため、2000年の歴史を持つ要塞の存在をいつも感じることができます。歴史を通じて地震が少ない山脈なので、現代まで残った貴重な風景です。その一方で、ベログラトチクの町では、電気メーターボックスにペイントをほどこす取組みがあり、町中に面白いアートがあふれていました。
次回は、この町の近くにある洞窟を2つ紹介したいと思います。