カルジャリまたはクルジャリ(Кърджали, Kurdzhali)はブルガリア南東部の街で、ロドピ山脈の東方の麓にあります。昔はほぼトルコ人が住んでいましたが、現在はだいぶ減りました。しかし、いまだにブルガリアの中で、トルコ人比率の高い場所です。
カルジャリにあるトルコスイーツ店では、ほかのブルガリアの地域ではなかなか出合えないスイーツが並びます。冷やした「バクラヴァ(フィロ生地の間にピスタチオ等を挟んで焼いたトルコの伝統菓子)」というスイーツをトルコ茶と一緒にいただきました。5月に紹介したバクラヴァとは違い、ミルクシロップが掛かっていてアイスのように冷たくなっており、通常のものよりも甘さが控えめに感じるのでとてもおいしかったです。
そしてさらにこの街から車で30分ほどロドピ山脈を西に進み、そこから1時間以上かけて、「パラダイスビュー」(Райски изглед, Rayski izgled)と呼ばれる場所へ。とても美しい景色が望めるポイントまで徒歩で登りました。アルダ川の曲がりくねった様子、ボロヴィッツァ川が合流し、その川がダムまで続いている様子などを上から望むことができました。登っている間は曇っていましたが、到着した時にちょうど雲から太陽が顔を出し、映える写真が撮れました。道が急こう配のため滑る危険性があり、杖を使った方がいいのかもしれません。遊歩道の始点には、杖にちょうどいい木の棒が茂みにさしてあったり、道端に置いてあったりしました。「ご自由にお使いください」とは書いてありませんでしたが、ハイキングの助けとなる1メートル以上の長さの杖が無造作に何本も置いてあるのは不思議な光景でした。道の途中で友人たちは、オレンジ色のきのこを収集したりしてハイキングを楽しみました。
この地方の特色は、トルコ文化としてのイスラム教の慣習が残っていることです。道のあちこちに水を汲めるところがあり、その隣には東屋(あずまや)があります。みんなが使えるように共同のものですが、井戸を掘った人の名前が付いています。私が訪れたのは日曜日だったため、ほぼすべての東屋でバーベキューをしたりピクニックをしたり地元の人が楽しんでいるのを見かけました。