首都ソフィアからギリシャ方面に向けて南下すると左手にピリン山脈が見えます。晴れた日に高速道路を走っていると、いつもその美しさに見とれてしまいます。この山系の国立公園には「セデムテ・エゼラ」訳すと「7つの湖」というところがあり、ブルガリアの友人たちは口をそろえて「まだ行ったことないの?!絶対に行くべきだよ!」と勧めてくれて、「あそこは天気のいい日が少ないから、8月上旬の十日間なら晴れた日に当たる確率が高いよ!」とアドバイスしてくれました。
先日、ようやく長年の願いが叶い「七つの湖」国立公園に行ってきました。ソフィアから約100kmの温泉地「サパレヴァ・バーニャ」を少し登ったところからリフトに乗って、トレッキングコースの入口まで行くことができます。
リフトを降りてしばらく登ると、美しい湖の展望が開けます。7つの湖はその形や個性、またその場所にちなんで「スルザタ(涙)」、「オコト(目)」、「ブブレカ(腎臓)」、「ブリズナカ(双子)」、「トリリストニカ(三枚葉)」、「リボノト(魚の棲む)」そして「ドルノト(下)」と名付けられています。リラの山の澄み切った雪解け水を集め、たたえる湖。天気が良ければ、湖面にはピリン山脈や青い空に流れる雲一つ一つが映り輝きます。日々街の騒音にさらされているソフィアとは、当たり前ですが別世界。自然の持つ圧倒的な静寂に包まれて、登山者たちの話し声や笑い声も小さく感じられます。
やっと来ることができたブルガリアの「宝」、リラの七つの湖。ブルガリアにお越しの際は、ソフィアからほんの少し足を延ばしてみるのはいかがでしょう?ソフィアから日帰りだと少しタイトなスケジュールになってしまうので、ふもとの温泉町や山の中のヒジャ(山小屋)に宿泊したり、テントを持ち込んでキャンプするのも人気のようですよ!