ブルガリアには馬にまつわる日、トドルの日があります。イースターのように、日にちが固定していない祭日で、今年は3月23日でした。今月はトドルの日をご紹介します。
遡ること約1700年前、キリスト教を認めないローマ皇帝ユリアヌスは、キリスト教徒が肉を食べないとする断食期間中に、市場に売られる果物・野菜に馬の血を撒いて食べられないようにし、断食を邪魔しようと企てました。しかし、ある晩キリスト教の総教主が夢で聖テオドル(トドル)という人物から、ローマ皇帝の企てについて予言を受けました。それにより教徒たちは、麦を準備しておき、難を逃れることができました。これを記念したのがトドルの日です。
トドルの日には、その由来にちなんで各地で競馬が行われます。また、ブルガリア人の祖先でもあるブルガール人という民族は騎馬民族だったので、戦闘に備えているかどうかのチェックが多く行われていました。この催しはその名残とも言われています。
今回はソフィア周辺にあるロゼン村で開催される競馬を見てきました。参加者は近くの村の人が中心で、通常の乗馬・馬車・軽馬車という3カテゴリーで行われます。発砲の前から駆け出す馬が多く居るため、何回かスタートをやり直すのも恒例行事の一つです。レース後の馬を触ったり、騎手と話すこともできるので、普段競馬と縁のない人やこどもたちもこの催しものをとても楽しんでいます。
わたしも当日みつけたお気に入りの馬を一生懸命応援して、伝統あるこの催しを満喫し、感動のある一日となりました。