2015 3Mar.

屋根のある橋

ソフィアから北東に150kmほど行くとロヴェチという街があります。山に囲まれた景勝地で、その自然の地形を活用し、昔はここに要塞が築かれました。今もその一部が公開されています。

ここにはユニークな橋があります。橋の上の部分に屋根がついているのです。今はおみやげ屋さんなどの店舗として活用されています。この橋の歴史をひも解くと19世紀前半にはオーストリア人の地質学者が紹介しているので、このときにはすでにこの街の名所になっていたようです。

やっぱり川にかかる橋ですから大雨による洪水に見舞われることもしばしばあったようです。ちょっとした修復で済む事もあったでしょうが、1872年には一度全部流されてしまいました。そこでブルガリアで当時名高い建築家だったコーリョ・フィチェトにより再建がはじまりました。

前にあった橋の基本的な形は残しつつ、頑丈なつくりのものに架け替えられました。資材も工夫され、鉄ではなく木の接合部品が使われていたそうです。そしてこの橋はその当時から商店街としてにぎわっていたそうです。

しかし1925年に、今度は火事で焼け落ちてしまいました。それで再びこの橋をかける作業が始まりました。1931年に完成しましたが今度は鉄とコンクリートが使われ、前のものとはデザインが変わりました。その後1981~2年にかけてまたまた橋を建て直し、鉄筋コンクリート作りながら元のコーリョ・フィチェトのデザインに近いものになり今日に至っています。

ロヴェチはブルガリアの歴史上欠かせない要害の地でもあり、他にも昔ながらの石屋根の家が立ち並ぶバローシャ地区や山の上の城壁など見所いっぱいです。また近所には大きな洞窟や渓谷もあり自然も美しいところで私のお気に入りのひとつです。そちらについては、またの機会にご紹介しますね。


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