今年も家の近所の魚屋の前に出店が出て、魚を買う人達で賑わう季節になりました。魚より肉を好んで食べる人が多いブルガリアで、魚が一番脚光を浴びるのは毎年12月6日のНикулден(ニコルデン)の頃と言えるかもしれません。
ニコルデンとはネームデーの1つで、ニコライやニコリーナなど聖ニコライに由来する名前を持つ人達をお祝いする日です。ネームデーはブルガリア語でимен ден(イメンデン)と呼ばれ、ブルガリアではキリスト教の聖者の名前のみならず、外来の名前でなければ殆どの人にイメンデンがあります。1年間の内120日が誰かのイメンデンというので驚きです。
イメンデンでは魚を食べるニコルデンの他、羊肉を食べるゲルギオフデン(聖ゲオルギに由来する名前)が最も有名で国の祝日でもあります。
誕生日には招待がなければその人の家に赴くことはできませんが、イメンデンには招待がなくても大丈夫。心からお祝いしたい人であれば誰でもその人の家に行ってご馳走になることができるのです。誕生日同様イメンデンでもその本人が周りの人にお菓子や食事を振舞います。
さてニコルデンに話は戻りますが、この日はまた家族の日でもあり漁師の日でもあります。シャランと呼ばれる大きな鯉を料理する人が多いのですが、余程新鮮なものでなければ結構癖がありなかなか食べにくいものです。毎年この日は義母がシャランなどの魚を料理し、夫の実家で魚料理を囲み、お祝いをしています。
今年もニコルデンの日が来ました。どうやら義母が大きくて新鮮なシャランを手に入れたようです。シャラン料理を楽しみながら、今年も家族で楽しいニコルデンを過ごしました。