夏の暑さが和らいでくると、ブルガリアの市場では赤ピーマンが山積みになって売られはじめます。例年だと8月末から見かけますが、今年は残暑が厳しく、9月に入ってやっと並びました。
このブルガリアの赤ピーマンは、日本で売られているものよりも細長くやわらかいのが特徴です。市場で箱買いをして、「リュテニッツァ」を家庭で作る人が多くみられます。リュテニッツァとは、ブルガリアで作られている赤ピーマンを主な材料とする伝統的な保存食。どこからともなく、この赤ピーマンを焼いている甘い香りが漂ってくると秋を感じます。
ピーマンを使ったブルガリアでの代表的な料理で、日本の「ピーマンの肉詰め」に似たものが「プルネン・チュシュキ」(Пълнени чушки, pulneni chushuki)です。ブルガリアだけなく、周辺国でも食べられています。通年食べられていますが、秋が赤ピーマンの旬で、一番おいしい時期です。
日本のものと大きく異なる点は、肉の中にお米も混ぜて調理することです。塩、コショウにハーブで味付けをしますがさまざまなレシピがあり、料理する人によって使うハーブが違います。そして、ヨーグルトを使ったソースをかけて食べるのが定番です。
緑ピーマンでも赤ピーマンでも、この料理を作ることができますが、赤の方が甘いので、個人的には赤ピーマンの肉詰めがおすすめです。またブルガリア人はこの料理をパンと一緒に食べますが、お米が入っているので、パンを用意しなくてもおいしくいただけます。ぜひ作ってみてください。