2012 6Jun.

ブルガリア語

ブルガリア語に使われるキリル文字は日本ではロシア文字としてよく知られているため、ブルガリア語はロシアが起源だと思っている人も多いかもしれません。しかし実はこれは反対で、キリル文字のルーツはブルガリアにあるといわれています。

9世紀はじめ、東ローマ帝国の支配下にあったテッサロニキ(現在のギリシャに位置する)で生まれた聖キリルと聖メトディ兄弟は、キリスト教の伝道を行うために、古代ギリシャ語からグラゴル文字を作り出しました。その後ブルガリア人だった弟子がブルガリアでグラゴル文字を更に改良し現在のキリル文字を作ったと言われています。

ブルガリアに住み始めて数年がたちましたが、私にとってブルガリア語はまだまだ難しい言語。9つの時制、女性・男性・中性に分類される名詞、形容したい名詞の性別により変化する形容詞など…。

例えば、「黒い猫」が1匹の場合は“черна котка“、複数だと“черни котки“と名詞も形容詞も変化します。動詞も人称によって全て語尾が変わるという悩ましさ。例えば「食べる」という動詞、人称が「私」「あなた」「彼・彼女」「あなた達」「彼ら」と変わる毎にそれぞれ“ям“ “ядеш“ “яде“ “ядете“ “ядат“と変化します。

名字も語尾が変わります。例えばお隣さんご一家。奥さんはペトロヴァさん、ご主人はペトロフさん、ご一家となればペトロヴィさん。初めてブルガリアに来た時に驚いたことの一つでした。

またブルガリア語で特徴的な表現の一つに、お母さんが子供と話す時によく文末に「マモ」を付けるというのがあります。「マモ」とはいわゆる「ママ」のことで、この一言を文末にちょこっと付けることで子供への愛情表現となるのでしょう。「何をしているの?マモ」この様に話しかけているお母さん達を見かけては微笑ましい気持ちになります。


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