メキッツァ(Мекица, Mekitsa)とは、ブルガリアでよく食べられているパンの一つです。日本の揚げパンに似ており、生地がとても柔らかく、日本人の口にも合いそうなおいしいパンです。メク(мек, mek)=柔らかい、という言葉が派生して名付けられています。
町のお店では粉砂糖をまぶしておやつとして食べたり、ホテルなどでは、塩気のあるチーズや甘いジャムと一緒に朝ごはんとして提供されています。家庭では、チョコレートや生クリーム、ヨーグルトなどを付けたり、チーズやサラミ、スパイスをかけて食べるなど、家庭によってさまざまな楽しみ方があります。
ブルガリアでは町中でメキッツァを買うことができますが、自分も含め私の周りの人から一番おいしいと人気なのは、ソフィア市内から車で3時間ほどのリラの僧院(ブルガリア最大で最も著名な正教会(ブルガリア正教会)の修道院で1983年ユネスコの世界遺産に登録されています)の隣にあるメキッツァ屋さんです。ここはとても有名で、1つ1レフ、日本円にすると83円くらい(2024年3月現在)で売られています。粉砂糖はテーブルに置いてある容器から自分で好きなだけかけることができます。
家庭で作る場合は、短時間で簡単にできる重曹を使うレシピと、時間は掛かるけどより柔らかい生地になるイーストを使うレシピがあります。今回は、時短と柔らかさを共存させた2種類の良いとこ取りをしたレシピで作ってみました。インスタントドライイーストとパン用の重曹を混ぜて使います。冬で室温だったにもかかわらず、1時間ぐらいの発酵時間で倍の大きさになっていました。
作り方は、ボウルに少し温めた牛乳1カップ、砂糖大さじ1、ドライイースト小さじ1、小麦粉大さじ1を入れ、混ぜて生地を作ります。別のボウルにヨーグルト2カップとパン用の重曹小さじ1を混ぜ、そこに先ほどの生地を入れ、小麦粉800グラムを少しずつ加えながらスプーンで混ぜます。とても柔らかい生地なので普通のパンのようにこねることができず、ケーキの生地のように混ぜて、1〜2時間ほどおいて発酵させます。生地が倍程度に膨らんだら、手に油を付けて適当な大きさにし、生地を広げながら、熱した油に入れて揚げます。この時に穴が開いても問題はなく、薄く広げることがポイントです。ぜひお試しください!