3月3日はブルガリアの解放記念日。500年にわたるオスマン帝国の支配からブルガリアが解放された、ブルガリアの歴史の中で非常に重要な日です。
長い間、ブルガリアを含むバルカン半島全域がオスマン帝国によって支配されており、何度も反乱を企てたものの、いずれもオスマン軍に鎮圧されていました。1877年、地中海への通路獲得のため、バルカンを狙っていたロシアは「オスマン帝国に抑圧されているスラヴ民族の救済」を錦の御旗にして、オスマン帝国に宣戦し、露土戦争が勃発しました。ブルガリアからも義勇兵7500名が参加し、ロシア軍はオスマン帝国を撃退、1878年ブルガリアはオスマン帝国から解放されました。
その露土戦争最大の激戦地となったのが、バラ祭りで知られるカザンラクから約20km北に位置するシプカ峠です。
標高1150mあるこの峠は、オスマン軍の進攻を防ぐ最重要な要塞でした。ドナウ川からロシアの援軍を待つ間、2000人のロシア兵士と5500人のブルガリア人民間兵によるたった7500人の連合軍が38万人のオスマン兵を相手に攻防し、見事要塞を死守。この戦いでは、峠を攻め上がって来るオスマン軍に向かい、ブルガリア・ロシア連合軍は弾の切れた銃を投げ、石を投げ、最後には死んだ兵士の死体を投げて攻防したと言われています。現在シプカ峠にはこの戦いを記念するモニュメントが建てられ(上図)、険しい峠の山頂には十字架がそびえ立っています。
今年ももうすぐ解放記念日。シプカとソフィアの解放者記念像の周辺では記念の式典が行われます。今年こそは行ってみましょうか。