日本語で「自然遊歩道」と訳すことができるエコプテカ(Екопътека, ekoputeka)と呼ばれるエリアが、ブルガリア中に点在します。今回は、バルカン山脈の中のボロフ カマク(Боров камък, Borov Kamak)という滝を目指し、自然遊歩道を使ってバルカン山脈を楽しんできました。
急斜面の岩場にかかった木の階段をよじ登ったり、滑りやすい砂利道を下ったりするなど、当初イメージしていた楽な遊歩道ではありませんでしたが、片道1時間半~2時間ほどの短い道でした。
今年の異常気象で引き起こされたヨーロッパ中の雨不足のため、残念ながら私が訪れたときには滝に水はありませんでした。地元の方に聞いたところ、滝は63メートルの落差があり、本来なら通年見ることができるそうです。もし水が流れていたら、迫力のある滝の裏側の道を濡れながら歩くことができたのにとも思いましたが、生い茂った森の中にある切り立った崖は、巨大でただ圧倒されました。また、急勾配の階段が雨で濡れていたら滑りやすいはずなので、そういった点では水がない方が安全でよかったと思いました。
帰り道は、プロホド ヴラティツァタ(Проход Вратцата, Prohod Vrattsata)と呼ばれる渓谷を通って、宿泊地のヴラツァの街に帰ってきました。この渓谷は、街を敵からの侵入を防ぐ事ができる戦略上とても重要な場所であったため、中世には要塞が建てられ、「扉」を意味するヴラタ(Врата, Vrata)に由来する名前が付けられたそうです。現在この場所では、ロッククライミングの大会などが開かれています。