ブルガリアの西部の街、キュステンディル(Кюстендил, Kyustendil)には、新旧の温泉施設が点在しています。歴史書によると、西暦前4~5世紀にトラキア人が鉱泉の周りに集落をつくったことからこの街の歴史は始まっています。その後、ローマ帝国時代、オスマン帝国時代、共産党時代、そして現在まで、温泉の街として栄えてきました。
水は透明ですが、硫黄の臭いがします。また街のあちらこちらで温泉水を汲むことができます。私もこの街に滞在中、大きなボトルをいくつも持って、車や自転車で汲みに来ている人を多く見ました。飲むと胃腸によいそうです。
公共温泉施設は、とても安い値段で温泉を楽しむことができます。地元の人がお風呂セットを持って気軽に来ています。日本の銭湯の感覚に近いかもしれません。
その一方で、大きな温泉プールを備えている新しいスパもあります。こちらは水着で入浴する温水プールのような雰囲気です。ただ値段が3倍以上高いです。一番大きなスパホテルの駐車場にはヨーロッパのさまざまな国のナンバーの車が停まっており、興味深かったです。
その他には関節症、末梢神経系の疾患、婦人科疾患などの治療のための療養所があります。医者の診断書がある人たちだけが使うことができ、一般的に一週間前後滞在します。日本と同じように、温泉での長期療養をする「湯治」が、ブルガリアにも存在していました。