ファストフードはブルガリア語で「ブルゾ・フラナ」と呼ばれ、老若男女問わず人気です。そして、ブルガリア人は、日本人よりも朝、昼を外で食べる頻度が高いので、街のどこでも見つけることができます。しかし、日本のファストフードのメニューとは少し違います。
首都のソフィアに行けば、日本にもあるようなアメリカのチェーン店はありますが、他の街ではあまり見かけません。その代わりにどこにでもあるのが、ブルガリア人がやっている個人経営のファストフード店です。
代表的なファストフード店は、「バーニチャルニッツァ」と呼ばれる「バーニッツァ屋さん」です。ここでは、ブルガリアの伝統的な食べ物「バーニッツァ」やパンを買うことができます。「バーニッツァ」とは、白チーズと油を春巻きの皮よりも薄い皮で巻いて焼いたものです。日本でいうところのパン屋さんに似ていますが、店内に入ることなく小さい窓口を通して商品を注文できるお店が多いです。パーニッツァは、日本のパンよりも小麦粉の割合が多く、油も多く使われているためのどが渇くので飲み物が欠かせません。
次に多いのがピザ屋さんです。レストランと併設しているところもありますが、ほとんどのピザ屋さんは、1切れから気軽に買えます。そして、いつでも焼きたてで食べられ、好きな具材を選ぶことができます。店によって味も値段も違うのですが、子供からお年寄りまで皆大好きでよく並んで買っています。
日本でもお馴染みのトルコ系の人がやっていることが多い、「ドネル屋さん」もブルガリア人からみると身近なファストフード店です。「ドネル」とは、パンに肉とフライドポテトを挟んだ食べ物です。回転がいいお店では、お肉やフライドポテトは調理されてからお店に並ぶまでの時間が短く、アツアツで美味しいです。また、店によって中に入れる具材やかけるソースが異なるので、それぞれお気に入りのお店があるそうです。その場で選んでオーダーするので、ブルガリア語が話せない旅行者が注文するのは少し難しいかもしれませんが、ジャスチャーで会話するのも面白いと思います。私のお気に入りは、マヨネーズサラダで、トッピングの野菜はキュウリとトマトを入れて玉ねぎ抜き、ソースはマスタード抜きのチリソースです。
またギリシャ系の人がやっているお店では、「ドネル」のことを「ギロス」と呼んでいます。こちらは、あまり見かけませんが、ブルガリア南部のギリシャに近い街にあります。中身は、ハーブソルトとザジキと呼ばれるヨーグルトときゅうりとニンニクが入ったソースが塗られ、「ドネル」とちょっと味が違うので見かけたら食べてみてください。