2017 4Apr.

セルディカ遺跡~
ソフィア中心部散策コース

「セルディカ(ソフィアの旧名)は私のローマだ。」とローマ帝国のコンスタンティヌス帝は言ったそうです。一時はここをローマ帝国の首都にしようと考えたとも言われる彼にとって、現在のソフィア市中心部は心の故郷だったのかもしれません。この辺りでは、最近、地下鉄工事のおかげでローマ帝国時代の遺跡がさらに見つかり、この季節から増加する観光客向けの展示施設も増えてきました。今回は、そんなソフィア中心部の散策コースをご紹介します。

まずは、地下鉄「セルディカ」駅。駅の真横には大きな聖ソフィア像があり、これと向かい合う形で、ブルガリアの政治の中心「ナロドノ・サブラニエ」(国会。旧共産党本部)が建っています。この間の地下道はきれいに整備され、発掘された石碑や遺跡が手に触れられるところにあり歴史を感じさせる一方、ガラスで覆われた天井は明るく現代的な印象を与えます。しかも、以前は交通量の多さと乱暴な運転のため命がけで渡っていた横断歩道も渡らずに済みますし、地下鉄駅から雨の日にも濡れずに行けるのでとても便利です。

ナロドノ・サブラニエからは、ソフィア大学に通じる黄色いレンガ道「ツァル・オスヴォボディーテル」通りと路面電車行き交う石畳の「ドンドゥコフ」通りに分かれます。この2本の大通りの間に、ソフィアの有名な観光地が集中しています。私は、劇場や小さなお店があって下町らしい雰囲気の残るドンドゥコフ通りが好きです。

今度は、路面電車に沿ってセルディカ駅方面に戻ってみましょう。線路はドンドゥコフ通りから裏道に入り込み、温泉の湧くチェシマ、そして昔からの中央市場「セントラル・ハリ」へと向かいます。路面電車沿いには、ビジネス街らしくリーズナブルなランチを出すお店が軒を連ね、官庁や会社のオフィスで働く人たちが行列を作ります。

遺跡を目の前に街並みを眺めていると、山に囲まれて温泉の湧く街を気に入っていたコンスタンティヌス帝の気持ちがわかる気がします。

日本から観光に来られる方も必ず通る首都ソフィア、通過するだけでなく少し散策してみてくださいね。


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