ブルガリアは今年は暖冬でずいぶん過ごしやすかったのですが、3月の声を聞いたとたんに冬に逆戻りし冷たい雨が続きました。でも、そんな暗く心が沈みがちな日々はそう長くは続かない、という思いと明るい春への期待で、みぞれ交じりの寒空でも元気に外に出かけます。
そんな3月初め、大きなバス停やパザールにはもちろん、いろいろなところに花束を売る売店が出来ます。なぜなら3月8日の「国際女性デー」は女性にお花を贈る習慣があるからです。日本ではいまひとつメジャーではありませんが、これは国連が決めた日だそうで、旧ソ連では大々的に祝われていたとか。その影響を強く受けたブルガリアでも結構盛大に行われているように見えます。
早春にうれしいヒヤシンスや水仙、またスイートピーやフリージア、バラ、ガーベラ、チューリップ、カーネーションなどブーケの定番がいっぱい。一番小さな花束は1レバ(約70円)くらいから売られています。ブルガリアの女性はお花が大好きなので、贈られなくても自分用に家に飾ろうと買って帰る人たちもたくさんいます。
共産時代からの名残か、ブルガリアでは女性も仕事をし、社会の要職について働いている人たちもたくさんいます。病院や区役所、パスポートセンターのような警察の出先機関、さらにはメディアに顔を出す人や地方自治体の首長、内閣、国会でも女性の比率は日本と比べてとても高いようです。それに加えて家では家事、子育て、老齢の親の世話など男性たちが代わってくれないことの多い仕事もあります。
そんな働き者のブルガリアの女性に年に一度お花を贈って労をねぎらう、というのがこの習慣の主旨のようです。贈られる女性の側は、「お花くらいでだまされないワヨ!」と思いつつも、顔がほころんでしまうようです。それはきっとこれから光あふれる暖かい季節が始まるからなのかもしれませんね。