ブルガリア西部、首都ソフィアから90キロほど離れたキュステンディル(Кюстендил,Kyustendil)という街は、古代ローマ時代から温泉地として有名です。フルーツの里でもあり、初夏になると私の住んでいるブラゴエフグラッドでも、キュステンディル産のチェリーが店先に並びます。街のロゴは、りんごと「KH」というアルファベットがモチーフとなっています。※この「KH」は車両登録番号に表記されるアルファベットで、ブルガリア語のキュステンディル(Кюстендил)からとられています。
また、キュステンディル近郊の丘には、4世紀末に建てられたクレポスト・ヒサルラカ(Крепост Хисарлъка, Krepost Hisarlaka)というレンガづくりの要塞がありました。オスマン帝国支配時代に破壊されましたが、この場所はキュステンディルの街を一望できるため、家族連れなど多くの人々が散歩に訪れています。クレポスト・ヒサルラカの要塞は復元作業がはじまったので、完成が待ち遠しいです。
キュステンディルの中心部から離れ、先日「オソゴヴォ」(Осогово,Ocogovo)という、ブルガリアで5番目に高い山にトレッキングに出かけました。隣国である北マケドニアとの間にまたがっている山で、山頂は2251.3メートルあります。
訪れた時期はさまざまな種類の花があちこちで咲いており、一番多く見かけたのは紫色のクロッカスの花でした。山の一角には、樹齢130年以上のセコイアの木が三本立っている有名な場所があります。これは、森林伐採された山肌に植林する当時の農業省の事業の一環として植えられたそうです。現在では、周辺にも若いセコイアの木々が植えられており、まだ小規模ですが、セコイアの林が広がっています。