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2026 7 Jul.

ブルガリアのバラ産業

2026.07

ブルガリアの都市・カザンラク(Казанлък, Kazanlak)といえば、毎年6月に開かれるバラ祭りで知られています。市内では期間中の土日にイベントが開催され、屋台が並んだり、バラ関連のグッズが販売されたりと、多くの人でにぎわいます。私が訪れた日は、ブルガリア各地からきたブルガリア民族舞踊グループが踊りを披露していました。

カザンラクのバラ博物館には入場料無料のバラ園も併設され、さまざまな種類のバラが咲き誇っていました。館内では、古代からヨーロッパで受け継がれてきたバラ文化と、ブルガリアが世界有数のバラ産地へ発展していく過程が、英語とブルガリア語で紹介されています。

ローズオイルの生産技術が独自に発展したブルガリア。最初はトルコから伝わった蒸留器が使われていましたが、ブルガリア人はラキア(ブルガリアで飲まれている伝統的な蒸留酒で、果実を発酵させて作られます)造りの経験を生かして改良を重ねたそうです。花と水を銅製の蒸留器で加熱し、蒸留を繰り返してわずかなローズオイルを抽出します。もともとあった技術を改良しながら発展させたという点に、日本のものづくりとの共通点を感じました。

1キログラムのローズオイルを作るためには、ダマスクローズなら約3,000~3,500キログラムもの花びらが必要だそうです。また、ローズオイルの取引には「ムスカル(muskal)」という単位が使われていました。1ムスカルは約4.98グラムで、専用の単位が使われていたことからも、ローズオイルがいかに貴重な品として扱われていたかが伝わってきます。

展示の中で特に興味深かったのは、容器に施されていたシーリングスタンプです。品質保証のための封印として使われていたもので、製造元の刻印が押されています。当時の商人たちはこの刻印によって商品の信頼性を示していました。

そして驚いたことに、その考え方は現在にも受け継がれています。本物のバラ製品には認証マークが付けられており、品質を確認することができます。現在、店頭に数多く並ぶバラ製品。そこに施されたシーリングスタンプからは、今なお時代を超えて受け継がれる、ブルガリアのバラ産業の歴史を垣間見ることができます。


  • バラ祭りの野外ステージでは民族舞踊が披露されていた

  • バラ園

  • 銅製の蒸留器(バラ博物館)

  • 昔のシーリングスタンプ(バラ博物館)

  • バラ関連の屋台

  • 現在のローズオイル100%の商品。フタの部分にシーリングが施されている

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