2026.08
ブルガリアでは6月24日は「エニョヴデン(Еньовден, Enyovden)」と呼ばれ、ハーブを摘む特別な日として知られています。この日は、もともと夏至の祭りに由来するといわれており、この日の夜明け前に摘んだハーブには、一年で最も強い力が宿ると信じられ、昔から人々は山へ出かけてハーブを集めてきました。天候にもよりますが、現代もこの時期は採れるハーブの種類が一年で最も豊富です。
私も今年、ブラゴエフグラッド近郊の山を歩きながらハーブ摘みを体験してきました。歩き始めて驚いたのは、タイムやセントジョーンズワートなどのハーブが、ごく普通の山道や草原に自然に生えていたことです。普段なら何気なく通り過ぎてしまう景色も、「ここにもある」「あそこにもある」と気付くようになると、いつもの風景がまったく違って見えてきました。
日本ではハーブというと、庭や畑で育てたり、お店で乾燥したものを手に入れたりするイメージがありますが、ブルガリアでは、山や野原そのものがハーブの宝庫といえます。日常の風景の中に、暮らしに役立つ植物が当たり前のように存在していることに、とても新鮮な驚きを覚えました。
「ハーブを摘む日」という伝統行事が今も受け継がれていることからも、ブルガリアの人々とハーブとの結び付きの深さを感じます。
ハーブを摘んだ後は、道端に実っていた桑の実や野生のサクランボをおやつ代わりに味わい、ブルガリアの豊かな自然を存分に満喫しました。街中は暑くても、山には涼しい風が吹き、心も体もリフレッシュできる一日でした。
山からの景色
セントジョーンズワート
フェルティ・ジャーマンダー
タイム
チコリ。ヨーロッパではチコリの根を使った飲料がチコリコーヒーと呼ばれ人気。
カモミール