ヨーグルトでめぐる世界の食卓

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多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!

チキンジャイロとザジキ

第102回目はギリシャ共和国。ヨーロッパ南東部、バルカン半島の南端に位置する国です。アルバニア、北マケドニア、ブルガリア、トルコと国境を接しています。今回は、先月にブータン料理を教えてくれたリリさんが再登場。ギリシャ人の夫を持つリリさんに、ギリシャ料理を教わりました。

今回の案内人

ギリシャ共和国
リリさん [Ms. Lily]
Niki’s Kitchen英語料理教室のブータン料理講師

コスプレをして撮影をしたり、趣味の一つとしてモデル活動をしています。

リリさんはギリシャ人の旦那様がいらっしゃるのですね?

はい、日本で出会って結婚しました。今回のレシピは、夫のクリスと一緒に作りながらお伝えしますね。

ギリシャの気候や、食文化の特徴を教えてください。

ギリシャは地中海性気候で、夏は暑く乾燥し、冬は温暖です。そんなギリシャの食文化に欠かせないのがオリーブです。ギリシャは世界的なオリーブオイルの産地として知られていて、特に品質の高いエクストラバージンオリーブオイルが有名です。
ギリシャ料理は地元産の新鮮な食材と伝統的なレシピが重視され、野菜、穀物、魚、肉(特にラム肉とヤギ肉)、そしてワインが多く使われます。ハーブ(オレガノ、ミント、ガーリック、ディルなど)も多用され、レモンも欠かせません。食事の時間は、家族や仲間たちとゆっくり楽しむのが一般的で、「メゼ」と呼ばれる多彩な前菜が特徴です。主食はパンです。「ホリアティコ・プソミ」と呼ばれる田舎パンをはじめ、野菜や肉などを挟んで食べる平たい「ピタパン」などがよく食べられています。

ギリシャの特産物を教えてください。

オリーブやオリーブオイルは、「カラマタオリーブ」が有名です。カラマタというのは産地で、ギリシャ本土の最南端にある港町です。
郷土料理は、ナスやひき肉、ベシャメルソース(小麦やバターを牛乳で煮詰めたソース)を重ねた「ムサカ」、ピタパンと一緒に提供される串焼き肉「スブラキ」などがあります。

ギリシャでよく食べられている乳製品やそれを含めた発酵食品を教えてください。

ギリシャの食生活には、乳製品も外せません。ギリシャの最も有名なチーズといえば、「フェタチーズ」。羊乳または羊とヤギの混合乳から作られる塩漬けの白チーズです。サラダやペストリーなど、さまざまな料理に使われます。「グラヴィエラ」 は、羊乳から作られるハードチーズで、少し甘くてナッツの風味がします。「ケファロティリ」は、羊またはヤギの乳から作られる塩味のハードチーズで、料理やテーブルチーズとして使われます。「ミジスラ」は、羊またはヤギのホエーから作られる新鮮で柔らかいチーズで、デザートによく使われます。
乳製品以外の発酵食品で日常的に食べられているのはピクルス。塩漬けされたオリーブの実もギリシャ料理の定番です。お酢はワインから作られるワインビネガーで、料理やサラダドレッシングに広く使われています。

ギリシャではどのようにヨーグルトを食べますか?

ギリシャヨーグルトは、牛乳(または羊やヤギの乳)を乳酸菌で発酵させ、水分やホエーを取り除いた濃厚なヨーグルトです。季節の果物や、ハチミツ、ナッツを添えて食べます。日本と同じようにヨーグルトは朝食やデザートとして食べています。プレーンヨーグルトは、クリーミーさを足すために料理によく使われます。

今回ご紹介いただく「チキンジャイロとザジキ」について教えてください。

「チキンジャイロ」はギリシャの人気ストリートフードで、特に路上屋台やカジュアルな飲食店で売られています。垂直に回転するロティサリーで調理されたチキンを薄くスライスし、トマト、オニオン、そして、ザジキと一緒にピタパンに挟んで提供されます。
チキンは通常、オリーブオイル、レモン汁、ガーリック、ハーブ、スパイスを混ぜて味付けされています。食べやすいので、ホームパーティーでも喜ばれます。「ザジキ」は、プレーンヨーグルトにきゅうりやガーリック、オリーブオイル、ディルを混ぜて作られる伝統的なソースです。

「チキンジャイロとザジキ」の作り方

【材料】4人分

  • ザジキ
  • 明治ブルガリアヨーグルト
    LB81プレーン

    500g

  • きゅうり

    2本

  • ディル

    お好みで

  • にんにく

    2片

  • レモン汁

    1/2個

  • エクストラバージン
    オリーブオイル

    大さじ2

  • 小さじ1

  • 白こしょう

    小さじ1

  • チキンジャイロ
  • 鶏もも肉

    400g

  • マリネ液

  • オリーブオイル

    1/4カップ

  • スモークパプリカパウダー

    小さじ1

  • 適量

  • こしょう

    適量

  • 潰したにんにく

    3〜4片分

  • オレガノ

    小さじ1

  • クミン

    小さじ1/2

  • レモン汁

    1個分

  • トマト

    2個

  • 紫玉ねぎ

    2個

  • フライドポテト

    お好みで

  • ピタパン

    4枚

  • step.1

    ザジキを作る。ヨーグルトは一晩水切りしておく。きゅうりはすりおろし、キッチンペーパーなどに包みしっかりと水分を絞る。ディルは細かく刻み、にんにくはすりおろす。

  • step.2

    ボウルに1、レモン汁、オリーブオイル、塩、白こしょうを入れて混ぜ合わせ、冷蔵庫で30分ほど冷やす。

  • step.3

    チキンジャイロを作る。ボウルにマリネ液の材料を入れて混ぜる。鶏肉を薄く切り、マリネ液に入れて混ぜる。ラップをして1時間以上(理想的には一晩)冷蔵庫で寝かせる。

  • step.4

    オーブンを200℃に予熱し、3を30分ほど焼く。

  • step.5

    フライパンを中火で熱し、ピタパンの両面を焼き色がつくまで焼く。

  • step.6

    5をクッキングシートの上に置き、2をたっぷり塗り、4、薄切りにしたトマトと紫玉ねぎを乗せる。お好みでフライドポテトを加えるとボリュームがでる。

  • step.7

    6をクッキングシートでクレープのようにくるみ、下からしっかりと巻き上げればできあがり!

チキンジャイロとザジキ
の感想

チキンジャイロとザジキ

チキンにしっかり味が付いていて食べごたえがあり、一本で満足感が得られます。クリーミーで酸味のあるザジキが、中の具材の味を引き立てると同時に、後味をさっぱりさせてくれました。ピタパンに具材を入れる工程も楽しく、家族や友人と一緒に作るのもよいと思いました。
(by記者)

リリさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!

#102

ギリシャ共和国Hellenic Republic
首都:アテネ / 通貨:ユーロ / 言語:現代ギリシャ語