多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理と母国の食文化、乳製品についてお聞きします!
第13回目はヨルダンです。東西南北をイラクやサウジアラビア、イスラエル、シリアに囲まれた立憲君主制の国家です。面積は北海道くらいの大きさで、国土の約80%は砂漠地帯。今回は、ヨルダン人の父と日本人の母を持つ、ハミス・ソフィヤーンさんにヨーグルト料理を教えていただきました。
オリーブオイル専門店『Murado Olive Oil』代表
父はパレスチナ系ヨルダン人で、ヨルダンで母と知り合いました。翻訳会社や商社をしていた父の仕事の関係で来日。僕は日本で生まれました。ヨルダンの高校に通ったり、日本とヨルダンを行き来していた時期もありますが、今は日本に住み、オリーブオイルの販売会社を営んでいます。オリーブオイルはヨルダン発祥という説もあるんですよ。
主食が大きく違うことと、食の種類は日本のように多彩ではないことがあげられます。ヨルダンはパン類が主食で、その中でも〝ピタパン〟という円形の薄いパンに具材をはさんで食べることが多いですね。お米も食べますが、日本のお米のような粘りはなく、パサパサしています。肉料理はみんなの大好物で、ラム肉はとても美味しいです。トマトの煮込み料理や豆料理は、頻繁に食卓にあがります。ソースやドレッシングとして、ヨーグルトやオリーブオイルをよく使いますね。ちなみにヨルダンの男性は甘いものが大好きで、「カナフェ」と呼ばれるとても甘いスイーツを食べるために、夜も店に行列を作っています。
チーズは種類が豊富です。焼いても溶けない〝ハロウミ(ハルミ)チーズ〟や〝フェタチーズ〟と呼ばれる山羊のチーズなどもあります。牛乳も飲みますが、甘みの強いラクダのミルクを飲む地域もあります。
ヨーグルトは、〝ラブネー(ラバネ)〟という水切りヨーグルトがあり、味はサワークリームに似ていて濃厚。〝ジャミード〟は山羊の乾燥ヨーグルトで、チーズの原型とも言われています。
都市部を中心に、スーパーで買う生活スタイルです。ヨーグルトは主に無糖で、プレーンヨーグルトの〝ラバン〟、水切りヨーグルトの〝ラブネー(ラバネ)〟が多く陳列されています。
ヨーグルトはよく食卓に登場します。主にラブネーは朝にピタパンにはさんで食べて、昼や夕食時はソースとして料理に使います。
ちなみに今回、ご紹介するヨーグルトソースやヨーグルトサラダのことも、〝ラバン〟と呼ぶことがあります。
肉のソテーのソースとしてご紹介しましたが、このソースはこのまま刻んだ野菜に混ぜたり、かけたりして、ヨーグルトのサラダとしてもよく食べられています。日常的な料理です。ヨルダンはラム肉も美味しいので、ちょっと特別な日はラム肉を使う場合もあります。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
220g
きゅうり
1/2~1本
にんにく
小1/2個
ミント
(アップルミントなど)
少々
塩
ひとつまみ
鶏モモ肉
300g
塩
少々
オールスパイス
少々
オリーブオイル
少々
きゅうりは0.5cm角に切る。
にんにく、ミントはみじん切りに切る。
ヨーグルトに、1、2、塩を入れ、混ぜる。
鶏モモ肉は筋をとり、切れ込みを数カ所入れたあと、塩とオールスパイスをふり、なじませておく。
フライパンで4を弱火でじっくりと焼く。
3とオリーブオイルをかけ、5を大きめにカットすればできあがり!
日本の家庭では、鶏肉料理に使う味付けというと醤油や塩・砂糖がベースになると思いますが、塩味のヨーグルトソースがこんなに鶏肉にマッチするとは驚きました。キュウリも入っているので後味さっぱり。野菜が苦手なお子さんがいるご家庭にもオススメしたいです。(by記者)
ハミスさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!