多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理と母国の食文化、乳製品についてお聞きします!
第16回目はモロッコ王国。通称モロッコは、北アフリカの北西部に位置する国です。アフリカやヨーロッパ、アラブの文化が入り交じり、食文化も多彩。今回はモロッコの古都、フェズ出身のアマルさんに、ヨーグルトを使った料理を教わりました。
英語料理教室『Niki’s Kitchen』モロッコ料理講師。趣味は手工芸や裁縫。手先を使うことが好きです。
私はモロッコの古都、フェズという町で生まれました。東京やNYのように情報や文化が集まる、モロッコのスタイリッシュな町です。フランス大使館で働いていたとき、フランス人である夫と知り合い結婚。彼は大変な親日家で、長い間、日本への赴任を希望していたんです。2005年、ようやく彼の願いが叶い、日本へ赴任が決定。一緒に来日しました。
パンが主食です。小麦粉ではなく、セモリナ粉を使うパンが多いですね。タジン料理を毎日食べると言っていいでしょう。肉や魚、野菜をたっぷり入れて煮込む料理です。タジン料理にはスパイスが欠かせません。生姜、サフラン、ターメリック、塩こしょうが基本のスパイスです。モロッコにはスパイス専門の店があり、そこではクミンなど24種類から50種類ものスパイスを混ぜた、ミックススパイスも売っているんですよ。
モロッコは酪農が盛んな国です。日本の牛乳と比べて、モロッコの牛乳は味が濃く感じますね。濃厚です。モロッコでメジャーな乳製品は、「ライビ」という、ミルクとヨーグルトの中間のようなドリンク。ザクロが入ったものが有名で、ほかにマンゴーやアップルフレーバーなどもあります。
「ルブン」というモロッコ独特の発酵乳製品もあります。牛乳から脂肪分を取り除いた液体で、酸味や塩気を感じるような味です。クスクスに混ぜてドリンクとしていただきます。スーパーではチーズ類も売ってますが、最近フランスの文化から入ってきたものです。モロッコではあまり食べた記憶がありません。
モロッコで「ヨーグルト」と言うと、甘いバニラヨーグルトを指していましたが、最近ではフルーツやシリアルが入ったものなど、様々な種類のヨーグルトがあり、日本よりも種類は豊富です。プレーンヨーグルトは、水切りヨーグルトのような硬めのヨーグルトが主流で、デザートだけでなく、メイン料理にも使われるようになってきました。家庭で作る人もいますが、モロッコには「メルバナ」と呼ばれる乳製品専門店があるので、そこで買う人の方が多いと思います。
フライパンで焼く簡単なお菓子で、朝食や突然の来客時にも提供することがあります。セモリナ粉を使うため、食感はボソボソしていますが、それが特徴のお菓子なんです。ハチミツやジャム、ヨーグルトをたっぷり付けてお召し上がりください。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
150g
セモリナ粉
500g
塩
ひとつまみ
砂糖
大さじ1
ベーキングパウダー
5g
溶かしバター
150g
オレンジブロッサム
ウォーター(香り付け)
※なくても可
大さじ1
水
100cc
はちみつ
適量
バター
適量
ボウルにセモリナ粉、塩、砂糖、ベーキングパウダーを合わせる。
1に溶かしバターを加えながら、全体にバターが行き渡るまで混ぜる。
2にオレンジブロッサムウォーターを合わせ、5分寝かせる。
3にヨーグルト、水を加えて混ぜる。※生地は食感が悪くなってしまうので、捏ねないのがポイント。
4の生地を6~7等分にし、丸める。
セモリナ粉で打ち粉をした台で、5の生地を1.5cmの厚さになるよう平らにする。
フライパンを中火にかけ、6の生地をきつね色になるまで片面ずつ焼き、側面も焼く。
お好みではちみつとバター等をのせて出来上がり。
丸い形がかわいいハルシャ。アマルさんのご自宅では、香りがいいオレンジブロッサムウォーターが入ったハチミツをたっぷりかけていただきました。外側がカリッと焼けていて香ばしい。片手で手軽に食べられて、腹持ちがいい。子どものおやつにも最適です。(by記者)
アマルさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!