多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理と母国の食文化、乳製品についてお聞きします!
第17回目はドイツ連邦共和国。四方をオランダやベルギー、フランス、スイス、オーストリア、チェコ、ポーランドと沢山の国に囲まれた、ヨーロッパ中西部の国です。今月は、北ドイツ出身のカタリーナ・堀井さんにヨーグルトを使った料理を教わります。
元パティシエ。お菓子作りや旅行が好きです。
2009年頃にワーキングホリデーがきっかけで初来日しました。二回目に来日したときに今の主人と出会い、日本に住むことに。今年で8年目です。
私が生まれ育ったのは、北ドイツのビーレフェルトという町です。日本の東北地方のような気候と思っていいでしょう。寒い地域では作物があまり育たないため、保存食が発達しています。例えば、暖かい時期に果物をまとめてジャムにしたり、野菜や果物の缶詰や瓶詰をスーパーでまとめ買いして地下に保存しておきます。ドイツでは地下などに貯蔵スペースを持つ家庭が一般的です。
ドイツは牛乳の生産量がヨーロッパ諸国の中でも多く、乳製品は毎日の食卓に欠かせません。牛乳はローファットのものや、スキムミルクをドリンクにしたもので常温保存の「ロングラスティング牛乳」などもスーパーで手に入ります。チーズはヨーロッパ諸国から多く集まるため、沢山の種類があります。夜にワインのおつまみに出るほか、「セカンドブレックファースト」のときにフレッシュチーズを食べることも。ドイツでは、朝起きたら軽く食べて、10時ごろに2回目の朝食をとる習慣があるんです。
スーパーマーケットで安く売っているので、手作りをするよりも買うことが多いです。プレーンのほか、果物やナッツ、シリアルが混ぜてあるヨーグルトがあります。サワーチェリーやヘーゼルナッツ入りのヨーグルトは特に人気のフレーバーです。ヨーグルトは日本と同じように、朝食のほかデザートとして食べることが多いです。また、ドリンクでは乳清からできた飲み物「モルケ」や「バターミルク」という酸味のある飲むヨーグルトのような味のドリンクも人気です。
ドイツの伝統的な家庭菓子です。ドイツでは昼食と夕食の間に、「コーヒーとケーキの時間」を持つ家族が多く、私も母親によく作ってもらいました。ドイツでは「クワーク」というヨーグルトに似た乳製品を使用しますが、クワークは日本でなかなか手に入らないため、私が日本で作るときは水切りヨーグルトを代用しています。
小麦粉
200g
塩
ひとつまみ
バニラビーンズ
(バニラエッセンス)
少量
レモン皮(レモンジュース)
少量
卵
1個
砂糖
60g
バター
100g
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
(水切りしたもの)
500g
コーンスターチ
25g
卵黄
3個分
砂糖
100g
バニラビーンズ
(バニラエッセンス)
少量
バター
100g
卵白
3個分
塩
ひとつまみ
オーブンは180℃で予熱しておく。コーンスターチはふるっておく。
ケーキ生地を作る。ボウルにケーキ生地の材料を全て入れる。レモン皮はおろし器で好みの量すり入れる。
泡立て器ですばやく混ぜたらひとつにまとめ、冷蔵庫で30分冷やす。
フィリングを作る。卵黄、砂糖、バニラビーンズを一緒に混ぜ、更に水切りしたヨーグルトを加えてなじむまで混ぜる。
バターを鍋で温めて溶かし、4に加えて混ぜる。
別のボウルに卵白と塩を加えて十分に角が立つまで泡立てる。
1のコーンスターチと6を、2~3回に分けて交互に5に入れながら混ぜる。
3を冷蔵庫から出し、小麦粉を振りながら伸ばし、ケーキ型の側面と底を覆うように生地を伸ばしながらつけていく。フォークで生地に所々穴をあける。
フィリングをケーキ生地の上に広げて予熱しておいたオーブンで50~60分焼く。焼けたらオーブンから取り出し、少し冷ます。
見た目はチーズケーキですが、食感はフワフワしたスフレのよう。甘さ控えめでヨーグルトとすり下ろしレモンピールの爽やかな酸味が口の中いっぱいに広がります。冷蔵庫で冷やして、真夏のおやつにいかがでしょうか。(by記者)
カタリーナさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!