多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!
第44回目はアメリカのニューヨーク州。今回はニューヨークシティで調理と製菓の勉強をし、現地のレストランで働いていた経験のある日本人のサチさんに、ヨーグルトを使った家庭料理を教わりました。
旅行や登山が好き。山の上で食べるご飯は最高です!
祖父がハワイ出身だったこともあり、12歳でアメリカに語学留学をすることに。ボストンに7年間、ニュージャージー州に3年間滞在しました。大学卒業後はニューヨークシティの料理学校で調理と製菓の勉強をし、その後、レストランに勤務。出産をきっかけに帰国しました。
アメリカは世界的に見ても、地域によって食に関する意識の差が大きく、極端です。ニューヨークやロサンゼルスは特に健康志向。糖質や炭水化物の制限をする人が多く、世界の先端を走っています。レストランでは、アレルギーや食事制限をしている人のための対応をしてくれる店が多いです。ヴィーガニズムは、例えば根菜を食べない人、果実やナッツ類しか食べない人など、かなり個人の主義で細分化されています。ストレスのない放牧牛の乳で作る「グラスフェッドバター」やココナッツオイルなど、バターや油にこだわる人も。一方で、イタリア系移民や南部の田舎から来た友人たちは、乳製品や鶏肉、豚肉などの動物性タンパク質を多く摂取する高カロリーの食事をしていました。人種や宗教などの違いもあります。
ニューヨーク州は、北はカナダとの国境まである大きな州です。ニューヨークシティから北側は酪農が盛んで、牛乳やチーズ、アイスクリームなどの乳製品がとてもおいしいですよ。ニューヨークは移民も多いので、ギリシャヨーグルトはもちろん、中東のラブネ(水切り塩ヨーグルト)、メキシコのチーズ、ユダヤ人がよく食べるクリームチーズディップなど、さまざまなカルチャーの乳製品が手に入ります。私はボストンにも住んだ経験がありますが、隣接するバーモント州はチェダーチーズが有名。ベーグルに、スモークサーモンとチェダーチーズを挟んだ朝食を、私もよく食べていました。
ニューヨークにあるデリのヨーグルトコーナーは、とても充実しています。イチゴやバナナ、ブルーベリーなどのフルーツ系、バニラやチョコレート、はちみつなど甘いフレーバーが人気です。日本ではあまり見かけないルバーブ味も並んでいます。ルバーブという野菜の茎を砂糖で煮たジャム状のものが、ヨーグルトの容器の底に入っています。酸味と甘みのバランスがよく、私も好きなヨーグルトのひとつでした。
日本と同じように朝食やデザートとして食べることが多いですね。小中学校の午前のおやつの時間に、チューブに入ったヨーグルトを出す学校もあります。プレーンヨーグルトは料理に使われることが多いですが、アメリカ人の家庭でヨーグルトを作る、という感覚はあまりないでしょう。
材料がシンプルで簡単、そしておいしいアペタイザー(前菜)です。レストラン、ダイナー、バーなどにもあるアメリカの定番メニューで、普通はクリームチーズやサワークリームなどの脂肪分の高い乳製品で作ります。都市部の健康志向の人たちは、それらをギリシャヨーグルトや水切りヨーグルトで代用しています。今回のレシピはそれを再現しました。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
400g
冷凍ほうれん草
200g
にんにく
ひとかけ
マヨネーズ
50g
ミックスチーズ
100g
塩
少々
こしょう
少々
オリーブオイル
小さじ1
オーブンを200℃に予熱する。
ザルにキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトを流し入れ、常温で30分ほど置き、水切りヨーグルトを作る。
冷凍ほうれん草は、解凍して水気を絞り、小さく刻む。
にんにくは、みじん切りにする。
ボウルに、2、3、4、マヨネーズ、ミックスチーズ(75g)、塩、こしょうを入れて混ぜる。
オリーブオイルをひいた耐熱容器に5を入れ、ミックスチーズ(25g)を上からかける。
200℃に温めたオーブンで、6を20分焼く。
ほうれん草をたっぷり使ったディップで、チーズのようなコクがあります。パンに乗せて食べたり、ニンジンなどの野菜やコーンチップスに付けてもおいしい。野菜をたくさんとれるので、野菜不足を感じている人にもオススメです。
(by記者)
サチさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!