多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理と母国の食文化、乳製品についてお聞きします!
第22回目は香港。中華人民共和国香港特別行政区、通称・香港。中国の南方にあり、海が近く湿気が高いエリアです。1世紀半に渡り英国の植民地でしたが、1997年に中国に返還されました。今回は香港出身のウィニーさんに、ヨーグルトを使った料理を教わります。
世界の食文化とその歴史に興味があります。特に中国、香港、日本の食文化や歴史を研究し、独自のレシピに役立てています。
オーストラリア在住の頃に福島県出身の留学生としてオーストラリアにきていた現在の夫と知り合い、結婚。1997年、香港が中国に返還された年から東京に住んでいます。
中国の南方で、湿度が高い亜熱帯気候です。1997年の返還以降、中国大陸から来た移民たちがそれぞれの郷土料理を香港に持ちこんだり、移民として海外で暮らした人たちが香港に戻り、移民先の食文化を香港で広めたりと、多様な国の食文化が混在したものが「香港の料理」だと私は考えています。中国料理とは、枠を別に考えた方がいいでしょう。
香港では牧場や食品製造業は難しく、ほぼ海外からの輸入に頼っています。とはいえ、一般スーパーでも香港工場で製造したフレッシュな牛乳、ヨーグルト(発酵食品)は手に入ります。香港の高級スーパーには、世界中のあらゆる食材が集まってきます。中でも管理がしっかりしている日本の商品は人気があります。バター、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品も同様に世界中の商品が手に入ります。
一番日常的に食べられている乳製品はヨーグルトかもしれません。日本と同様に朝に食べることが多いです。香港には世界中の食材が集まってきますので、もちろん「明治ブルガリアヨーグルト」も売っていますよ。高級スーパーには日本をはじめ、世界中のヨーグルトがズラリと並びます。数年前、香港ではフローズンヨーグルトが流行し、多くの店が出来たことがありました。トレンドにすぐに飛びつきますが、去るのも早いのが香港です。今はお店の数も縮小しています。とはいえ、香港の人はヘルシーなものが好きなので、アイスクリームより健康的なイメージがあるフローズンヨーグルトは、今もスーパーのアイスクリームコーナーなどに置いてあります。
香港のインドネシア&トルコ料理の店、「基隆街五號」(The Venue)という有名店のメニューがとても美味しくて、店主からレシピを教えていただきました。イカにパン粉と大量のハーブを詰め込み、ヨーグルトが添えてありました。「ハーブ黒米イカご飯」は、それを私が薬膳仕立てにアレンジしたものです。このメニューも、多様な国の食文化が集まる香港だからこそ生まれた、まさに香港独自のレシピです。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
100g
にんにく
小さじ1(みじん切り)
ディル
1g(みじん切り)
塩
小さじ1/4
こしょう
少々
イカ
2杯
玉ねぎ
50g
にんにく
5g
トマト
20g
パクチー
5g
バジル
3g
ディル
1g
松の実
大さじ1
オリーブオイル
適量
粉チーズ
大さじ1
塩
少々
こしょう
少々
ご飯(赤米入り)
100g
白ワイン
大さじ2
ソースは全ての材料をボウルに入れて混ぜておく。
処理したイカの胴体をさっと湯引きする。(お湯を沸騰させて火を止めたところにさっと入れる程度で、実が引き締まって詰めやすくなります)
イカの足はペーパータオルで包むようにして吸盤をしごき、硬い部分を丁寧に取り除く。その後細かく切る。
玉ねぎ、にんにく、トマト、パクチー、バジル、ディルを粗みじん切りする。
松の実は100度で10分ほどローストする。
フライパンにオリーブオイルを引き、玉ねぎを透明になるまで炒めてから、にんにくを加え、香りが立ったらイカの足とトマトとご飯を加える。
粉チーズと松の実を加えて全体的になじんだら火を止め、4のパクチー、バジル、ディルを入れる。塩、こしょうで味を調えたらバットに出して冷ます。
ご飯が冷めたらイカに詰める。上から1cmのところで楊枝で止める。
フライパンにオリーブオイルを引いて、両面が焼き色がついたら白ワインを入れて焼き蒸らしたら出来上がりです。
ハーブと黒米とイカごはん、そこにヨーグルト…。最初はなかなか味の想像がつきませんでしたが、イカのうまみが黒米にギュッと詰まり、ヨーグルトソースにとてもよく合うので驚きました。おつまみにもぴったりです。
(by記者)
ウィニーさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!