多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理と母国の食文化、乳製品についてお聞きします!
第31回目はキルギス共和国。中央アジアの国です。キルギス第二の都市と呼ばれる南部の街、オシュ出身のシェルさんに、ヨーグルトを使った料理を教わりました。
家庭菜園が得意です。日本の家でもぶどう棚を作り、毎年ぶどうを収穫しています。
妻であるかおりが、旅行でキルギスを訪れていたときに知り合い、結婚。2011年から日本に住み、現在は埼玉県の春日部にある自宅で、料理教室やパン屋を営んでいます。
中央アジアに位置し、国土の9割が標高1500メートルにあります。キルギスにはカタール人やウイグル人、クルド人など多くの民族が住んでいて、私はウズベク人です。主食は「ノン」という小麦粉から作られた平焼きのパン。
食文化は民族ごとに少しずつ異なり、私が生まれ育ったオシュは温暖な南部で、肉と野菜をふんだんに使った料理が多いです。
毎朝、遊牧生活をしている人たちが山から降りてきて、絞りたての牛乳や自家製ヨーグルトのケフィルを運んで来るので、それを買います。私がオシュにいたときは、キルギス人がバザールに卸すための乳製品を安く買うため、朝早く起きて卸値価格で手に入れていましたよ。
遊牧民が暮らす地域には、「アイラン」「クルト」「スズマ」「クムス」「チャラップ」などがあります。
「アイラン」とは、ヨーグルトに水を入れ、りんごやバジルを入れて味をつけた飲み物です。「クルト」とは、ヨーグルトから水分を抜いて塩を入れ乾燥させたもので、子どものおやつや、ビールのおつまみに、また油っぽい物の後などに食べられています。
「スズマ」とは、ヨーグルトから水を抜いたカッテージチーズに近いもので、砂糖と混ぜて食べると止まらない美味しさです。また、別の食べ方として野菜と合わせても食べます。
「クムス」とは、馬の乳から作られる馬乳酒です。
「チャラップ」とは、飲むタイプのヨーグルトで、サラダ(バジル、ディル、ラディッシュ、キュウリなど)にドレッシングのようにかけて食べるのが夏の定番で、食欲を増進させる働きがあると言われています。
カッテージチーズを使うケーキで、母がよく作っていました。妻のかおりがレモンを加えることを思いつき、爽やかなレモンケーキが完成。実家でも大人気です。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
800g
牛乳
2L
卵
1個
砂糖
大さじ4
レモン汁+生クリーム
60g
(レモン汁は、レモン1個で絞れる量)
レモン皮
適量
強力粉
260g
塩
小さじ1/2
ベーキングパウダー
小さじ1
砂糖
大さじ2
無縁バター
200g
<中身>
鍋にヨーグルトと牛乳を入れ、弱火~中火で、沸騰させないようにホエーが白くなるのを目安に、分離するまで温める。
ザルにガーゼを敷き、1を濾す。
2を、高い位置で固定して、余分な水分を落とし、トゥヴァログ(カッテージチーズ)を450g~500g作る。(手で絞るのではなく、自然に水分がなくなるのを待つこと)
ボウルに、全卵と砂糖(大4)を加えて白くなるまでミキサーで混ぜる。
チーズ削り器で、レモンの皮を削る。レモン汁を絞る。
4にレモン汁+生クリーム(60g)、レモンの皮、トゥヴァログを加え、さらにミキサーでよく混ぜる。
<生地>
別のボウルに強力粉、塩、ベーキングパウダー、砂糖(大2)を加えて混ぜる。
バターを7の中で細かく削り、まとまるまで手早くこねる。
型に2/3の生地を敷いてスプーンで平らにし、フォークで生地に穴をあける。
9に中身を流し込み、残りの1/3の生地をポロポロとかけて、200℃に温めたオーブンで焼き色がつくまで約35~40分焼く。
焼きあがったら、粉砂糖をかけて完成。
レモンを皮ごとすり下ろすため香りも豊か。サクサクした食感が楽しく、子どもにも喜ばれるケーキです。
(by記者)
シェルさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!