多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!
第53回目はベトナム社会主義共和国。南シナ海に面した東南アジアの国で、国土は南北に長く、多民族国家です。今回は日本でベトナム料理店を営むご夫婦、中塚雅之さんと森泉麻美子さんに、ヨーグルトを使ったデザートを教えていただきました。
中塚さん:園芸(アジアのハーブなど)、料理本(洋書)の収集
森泉さん:味噌などの保存食作り、ベトナム旅行
中塚さん:地元・岡山県で長くフランス料理のシェフ(料理長)をしていましたが、40代で上京。多くの偶然が重なり、六本木のベトナム料理店のシェフとして働くことに。それがきっかけでベトナムが好きになりました。
森泉さん:ベトナムやベトナム料理を好きになったのは学生時代です。東南アジアやベトナムのことを勉強していました。出版社に就職して編集の仕事をし、退職後はフリーランスで編集やライターの仕事をしていました。中塚が独立し、ベトナム料理店を立ち上げたことで、二人でベトナム料理を作るようになりました。
国土は南北に細く、北部、中部、南部の3つのエリアに分かれます。北部の首都、ハノイは亜熱帯気候、中部のダナンは熱帯モンスーン気候、南部のホーチミン市は熱帯サバンナ気候です。北部は塩味が基本、中部はトウガラシを使った辛い味付け、南部はこってりと甘い味付けが特徴的です。中国とフランスの統治を受けた時代があり、多民族国家でもあるベトナムは、地域ごとに建物や風景、料理に違いが見られます。
ベトナムは牛乳の歴史が浅く、牛乳の代わりにコンデンスミルクを使う文化が根付いています。最近では酪農も行われるようになり、保冷車も充実してきたことで、国産牛乳や国産チーズなどの乳製品が少しずつ作られるようになりました。
ヨーグルトは「スア・チュア」といいます。「スア」は牛乳、「チュア」は酸っぱいという意味です。ベトナムはこれまで牛乳が手に入りにくい事情があったので、練乳を加えて作る、とろりとしたなめらかな甘いヨーグルトが古くからの主流でした。フルーツと一緒に食べたり、フローズンヨーグルトにしたり、ドリンクヨーグルトにして飲んだりと、主にデザートとして親しまれています。
甘く炊いた黒もち米とヨーグルトを一緒に食べるデザートです。最近ではスーパーやコンビニでも販売されるほど人気。黒もち米は、アントシアニンなど栄養素も豊富で体にいいですよ。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
400g
黒米
1合
水
1.5~2合分
はちみつ
大さじ2~3
練乳
大さじ3~4
ミントの葉
適量
黒米を軽く洗い、水に6時間ほど浸けておく。(黒米に含まれるアントシアニンが水にとけやすいため、洗うときはさっと水を通す程度に)
1の黒米を、水ごと炊飯器に入れて炊く。
炊けたら、ボウルに大さじ8ほど取り、はちみつを加え、混ぜる。
別のボウルにヨーグルトを入れ、練乳を加えて混ぜる。
器に3を入れて4をかけ、その上にミントの葉を飾って完成!
※残った黒米は、冷蔵庫で2日間ほど保存可能。冷凍保存もおすすめ。
黒米とヨーグルトの組み合わせは初めての体験で半信半疑でしたが、食べてみると黒米のプチプチとした食感が楽しく、ヨーグルトによく絡み、おいしくいただくことができました。噛みごたえがあるのでお腹も満足。ベトナムで人気の理由が分かりました!
(by記者)
中塚さん、森泉さん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!