多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!
第56回目はブルガリア共和国。バルカン半島にある国で、ルーマニアやセルビア、北マケドニア、ギリシャ、トルコと国境を接しています。今回は、黒海に面したリゾート地としても人気が高いヴァルナ出身のアンゲロフ・アントニオさんに、ヨーグルトを使った料理を教えていただきました。
2014年から極真空手をはじめました。演技の仕事が好きで、最近はアクションにも挑戦。TVの再現ドラマにも出演しています。
日本を知る最初のきっかけは、父が買ってくれた日本のゲームでした。侍や忍者、芸者などの日本の登場人物と出合い、日本という国に興味を持ち始めたのです。15歳のときに日本語を学びはじめ、17歳で2週間のホームステイで関西へ。それが初来日でした。国として治安が良いことや、人を敬う気持ちなどたくさん感動することがあり、いつか日本に住んでみたいと思いました。ブルガリアの大学で応用言語学を学び、その後何度か日本とブルガリアを行き来して、日本の大学や大学院を卒業しました。現在はフリーランスで通訳や翻訳、モデルや俳優業、料理講師など幅広く仕事をしています。
主食はパンです。一日3度食べてもブルガリア人は飽きません(笑)。自宅で作る人もいますが、今はスーパーで買う人が多いですね。特に北ブルガリアは小麦の生産が盛んで、ほかのヨーロッパ諸国に小麦を輸出しているほどです。よく家庭の食卓に上がるのは、肉や野菜を使った料理。夏は鶏肉、冬は豚肉がよく食べられています。私が生まれ育ったヴァルナは海沿いの都市で、魚介類が豊富にとれます。ムール貝の料理が有名。私はレモンをかけたサメの揚出しが好きです!ブルガリア人は揚げ物もよく食べますよ。
例えばミルクは牛をはじめ、水牛・ヤギ・羊と種類が豊富。もちろんチーズやヨーグルトもよく食べます。ブルガリアで一番ポピュラーなチーズは、シレネという白チーズです。ブルガリア人にとって、シレネこそが“普通のチーズ”で、それ以外のチーズを“イエローチーズ”と呼びます。
ブルガリアのヨーグルトはプレーン味がほとんどです。実は小さいころからヨーグルトが苦手で、なぜならブルガリアのヨーグルトは酸っぱいから(笑)。ホームステイで来日したときに日本人に勧められ、はじめて「明治ブルガリアヨーグルト」を食べました。恐る恐る食べたらおいしくて驚きました(笑)。田舎の村に行くと、まだ作っている人はいるかもしれませんが、現在は、ブルガリアでも自宅でヨーグルトを作る家庭はほとんどないでしょう。
一般的には甘くして食べませんが、プレーンヨーグルトを水切りし、はちみつなどを混ぜてデザートとして食べることもあります。ブルガリアの多くのメーカーが出しているプレーンヨーグルトは、酸味が強く、料理に使います。日本人がみそやしょうゆをよく使うのと一緒で、ブルガリア人にとってヨーグルトは、応用がきく調味料のようなものです。例えば、きゅうりと合わせて冷たいスープにしたり、ディルと混ぜてソースにしたり、凍らせてコロッケにしたりと、使い方はさまざまです。
どのシーズンでもおいしく食べられますが、ブルガリアでは暑い時期によく食される料理です。とても簡単な料理で、さっぱりとしたヨーグルトのソースが決め手です。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
100g
なす
3本
塩
少々
こしょう
少々
小麦粉
適量
サラダ油
適量
にんにく
適量
ハーブ(パセリやディルなど)
少々
なすを1cm幅の輪切りにする。平たいトレイ(または大皿)に紙タオルを敷き、切ったなすを並べる。なすの上にも紙タオルを乗せ、おさえるように水分を取る。
水分を取ったなすに塩とこしょうを振り、小麦粉をまぶす。(小麦粉なしでもOK)
フライパンにサラダ油をしき、火をつける。初めは弱火にしてなすを並べ、並べ終えたら中火にする。焼き色がついたらひっくり返す。両側にまんべんなく焼き色がついたら火を止める。
ヨーグルトソースを作る。ボウルにヨーグルトを入れ、すりおろしたにんにくとディルを適量加えて、よく混ぜ合わせる。
なすをお皿に盛り、その上から4をたっぷりかけて、出来上がり!
日本人にもなじみ深いなすの料理です。なすにヨーグルトをかける発想は日本ではあまりないですが、にんにくが効いたヨーグルトとなすの相性は抜群!材料も少なく短時間でできる料理なので、あと一品欲しいときや手間をかけたくない日にいかがでしょうか?
(by記者)
アントニオさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!