多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!
第72回目はトルコ共和国です。周りを地中海やエーゲ海、マルマラ海、黒海と4つの海に囲まれた半島で、日本の約2倍の面積を持つ国です。今回はトルコ南部、ハタイ県出身のギュルさんにヨーグルトを使った郷土料理を教わりました。
世界中の文化にとても興味があり、旅行先では現地の人にいろいろな質問をして文化の違いを楽しみます。トルコに住んでいたころはヨーロッパもアジアも近く、海外旅行が楽しみでした。最近はおうち時間も充実。自宅の小さな庭でいろいろなハーブを育てています。
トルコでは日本の漫画やアニメ、映画などが人気で、私も幼いころから日本の文化が好きでした。留学のために来日したのが2003年。インターナショナルスクールでの英語教師の仕事や、文化センターなどでトルコ料理を教えていました。トルコ出身の夫と結婚し、現在は千葉で家族と住んでいます。
トルコ料理は、フランス料理や中国料理と並ぶ世界三大料理のひとつです。トルコが位置するアナトリア半島は、古くからさまざまな文化が交差する場所で、食のバリエーションも豊富に生まれました。世界的に知られているのが「ケバブ」という肉料理です。鶏肉や牛肉、羊の肉を使って調理されます。宗教上、豚肉は食べません。トルコは国土を海に囲まれているため、海産物も豊富です。そしてトルコ人の食生活に欠かせないのが、主食のパンです。「ピデ」と呼ばれる平たいパンのほか、クレープのような「ギョズレメ」、ドーナツ型ごまパンのような「シミット」など、非常に多くの種類があります。
私は、トルコ南部にあるハタイ県のイスケンデルンという港町で生まれました。シリアとの国境付近にあります。日本のような四季はなく、暑い夏と涼しい夏があります。イスラム教徒をはじめ、ユダヤ教徒、キリスト教徒などさまざまな宗派を持つ人々が、お互いを尊重し合って仲良く暮らしています。地元の名物のひとつに「キュネフェ」というお菓子があります。「カダイフ」という極細の麺状になった衣の中に、伸びるチーズを挟んだスイーツです。
「ケバブ」の種類はたくさんあります。日本で「ケバブ」というと、何層にも重ねた薄切り肉を、グリルで回転させながら焼き上げる「ドネル・ケバブ」を思い浮かべる人も多いでしょう。今回ご紹介する「ベイティロールケバブ」は、トルコのレストランのメニューによくある料理で、「ベティ・ケバブ」とも呼ばれます。棒状に焼いたケバブを薄いパンで包み、一口サイズにカットしてお皿に盛りつけます。
牛ひき肉
400g
卵
1個
玉ねぎ
1個
にんにく
1かけ
パプリカ
1/4個
パン粉
60g
塩
小さじ1
こしょう
小さじ1
トルティーヤ
6枚
※直径20cm
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
大さじ5
サラダ油
大さじ7
バター
大さじ2
おろしにんにく
2かけ分
パセリのみじん切り
小枝3~4本分
トマトピューレ
200g
※またはトマト3個
とうがらしパウダー
小さじ1
塩
小さじ1/2
こしょう
小さじ1
青とうがらし
4本
※お好みで
卵、玉ねぎ、にんにくをフードプロセッサーにかけピューレ状にする。パプリカは細かく刻む。
ボウルに1、ひき肉、パン粉、塩、こしょうを入れよくこねる。ラップなどでふたをし、冷蔵庫で1時間ほど冷やす。
2を6等分にし、手で細長い形に整えて天板に並べる。190℃に予熱したオーブンで20分焼く。
ソースを作る。鍋に油とバターを溶かし、おろしにんにくを入れ軽く炒める。火を止め、パセリを入れて混ぜる。
トルティーヤに4のソースを薄く塗り、3を乗せて巻く。(残ったソースは7でも使用)
5を5cmほどの長さに切り、天板に並べ、200℃のオーブンで5分焼く。
残ったソースを火にかけ、トマトピューレ、とうがらしパウダー、塩、こしょうを加え混ぜる。(トマトピューレの代わりに、トマト3個の皮をむいてすりおろしてもOK)
器に6を並べ、7をかけ、ヨーグルトを添えてできあがり!(お好みで炒めた青とうがらしも一緒に乗せると、よりスパイシーに)
ハードなイメージのあるケバブ料理ですが、トルティーヤに包んでカットすることで上品な一皿になりました。食欲をそそる肉×スパイシーなトマトソース、そしてヨーグルトをかけることで味にまとまりが出ています。ひき肉を使った料理のバリエーションが広がりそうです。
(by記者)
ギュルさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!