多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!
第75回目はブータン王国。ヒマラヤ山脈の東端にある国で、インドと中国に隣接しています。今回は東京・市ヶ谷にあるブータン料理専門店のオーナーシェフに、ブータン料理を教わりました。
ブータン旅行が好きで、過去4回訪れました。海外旅行はブータン以外、経験がありません。(笑)
2011年に、たまたまブータン料理で有名な店でシェフとして働くことになりました。しかしそれまでブータンという国について、ほとんど知りませんでした。せっかくなのでその店に就職する前の2週間、ブータンに旅行に行ったんです。日本人と容姿や気質が似ていて親しみやすいですね。また、日本が戦後、近代化とともに忘れ去られた原風景のようなものがブータンには残っていて、すっかりファンになってしまいました。
ブータンを少しでも知ってもらいたいという思いもあり、勤続10年を節目に独立開業しました。
山間部にある国で、南部は標高200m、北部は標高7,000m以上のヒマラヤ山脈……と、かなりの標高差があります。四季はありますが、一年を通して乾燥しているイメージです。農業や畜産業をしている家庭が多く、家の構造は1階が牛小屋、2階3階が住居、その上は屋根裏部屋のようになっていて、そこに乾燥室があります。肉や野菜を乾燥させて、保存食にするのです。ブータンは電気の事情があまりよくないので、最近まで冷蔵庫を使う家庭はほとんどありませんでした。ブータン料理は、とうがらしやチーズを使う料理が多いことで知られています。このような食文化は、標高が高い地域でも育つ農産物であることや、乾燥させて保存食にできるという点から発展したのではないでしょうか。
家の1階で飼っている牛から牛乳をとり、チーズも作ります。ヒマラヤ山脈に生息するヤクという動物のミルクも飲んでいますね。チーズを作るときに副産物としてホエーがとれますが、味が濃い食事と一緒に、このホエーを飲む習慣があります。ブータンでは、ヨーグルトを積極的に作ったり食べたりしないようですが、遊牧民が売るヤクのミルクで作ったヨーグルトは濃厚でおいしいと聞きます。
ブータンでは、野菜をカッテージチーズで和えたサラダを「ホゲ」と呼んでいます。今回は、カッテージチーズの代わりに水切りヨーグルトを使いました。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
200g
ミニトマト
4個
かぶ
1/2個
きゅうり
1本
赤玉ねぎ
1/4個
パクチー
適量
粉とうがらし
2つまみ
花山椒
2つまみ
塩
2g
ザルにガーゼなどを敷きヨーグルトを入れて包み、ひとまわり小さめのボウルに重ねる。重しをして水分がよく切れるよう、一晩置く。
ミニトマトは4等分に切る。かぶときゅうりは薄切りにする。赤玉ねぎは薄切りにして水にさらし辛みをとる。
2とパクチーをボウルに入れて混ぜ(パクチーは飾り付け用に少し残しておく)、1のヨーグルトとAを加えて混ぜ合わせる。
3を器に盛り、パクチーを添えて完成!
ピリ辛の香辛料とクリーミーな水切りヨーグルトがほどよくマッチ。硬めのソースなので、温野菜のディップにしてもよさそうです。材料や味付けがシンプルで短時間でさっと作れるため、あと1品足りないときにも重宝します。
(by記者)
村上光さん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!