多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!
第80回目は中国。西南部にある四川省(しせんしょう)です。今回は中国出身のイニさんから、ヨーグルトを使った四川料理のアレンジレシピを教えていただきました。
ローマ史を勉強しています。鉛筆絵も趣味で、料理の絵などを描いて楽しんでいます。
私は北京生まれですが、母が中国の西南部にある重慶(じゅうけい)市出身のため、四川料理を食べて育ちました(かつて重慶は四川省の一部でした)。25歳のときにはじめて四川に行ったのですが、暑さと湿度の高さにびっくりしたことを覚えています。省中央の四川盆地は、夏季は特に暑いです。私が生まれ育った北京は夏が短く、湿気が多い時期は少ないので、その違いに驚きました。
四川料理は辛いイメージがあると思いますが、具体的にはスパイスである花椒(かしょう・ホアジャオ)による、舌がしびれるような辛さが四川料理の特徴と言えます。昔から、花椒を食べると体内の熱が発散され、湿気を払うと信じられているのです。
主食はお米で、もち米もよく食べます。麺類は軽食やおやつとして食されています。
中国には発酵食品が多くあります。四川省でよく知られている発酵食品といえば「泡菜(パオツァイ)」。野菜を塩水に漬けて乳酸発酵させたシンプルな漬物です。実家には、母が祖母から譲り受けた泡菜の壺があります。私もその漬け汁を分けてもらい、中国から日本に持ってきました。日本でいうところの「ぬか床」のような感覚ですね。
スーパーマーケットに行くと、たくさんの乳製品が並んでいます。特にヨーグルトが一番多く売られているのではと思います。中国人は果物が大好きなので、フルーツ入りヨーグルトがダントツの人気です。
おやつ感覚で食べることが多く、プレーンヨーグルトよりも、フルーツ入りの甘みのあるヨーグルトを好んで食べています。昔はのむタイプのヨーグルトなど、固形ではないものが多かったように思いますが、最近ではギリシャヨーグルトのような、濃厚なものが流行っているようです。
日本の棒棒鶏というと、蒸した鶏肉に甘いごまダレを和えることが多いかもしれませんが、四川料理の棒棒鶏は香辛料をきかせピリッと辛めです。酢もポイントのひとつですが、今回のレシピは、酢をヨーグルトに代えてクリーミーな味わいにしています。
鶏むね肉
1枚(約350g)
水
600ml
塩
小さじ1/2
紹興酒
小さじ1
ねぎの葉
適量
きゅうりのせん切り
1本分
トマトの薄切り
1個分
レタス
少々
小ねぎのみじん切り
少々
花椒パウダー
小さじ1/2
とうがらしパウダー
大さじ1
おろしにんにく
1かけ分
キャノーラ油
50ml
※サラダ油でも代用可
明治ブルガリア
ヨーグルト
LB81プレーン
大さじ2と
1/2
しょうゆ
小さじ2
砂糖
小さじ1と1/2
芝麻醬(チーマージャン)
大さじ1
※ねりごまでも代用可
鍋に、後から入れる鶏肉がひたる程度(約600ml)の水、塩、紹興酒を入れて沸騰させ、ねぎの葉を加える。
1が再び沸騰したら鶏肉を入れる。中火で10分間茹で、火を止めて余熱でさらに10分ほど蒸らす。
鶏肉を鍋から取り出し、あら熱がとれたら細かくほぐす。
ラー油を作る。小鍋など耐熱性のある器に花椒パウダー、とうがらしパウダー、おろしにんにくを入れる。フライパンでキャノーラ油を180℃に加熱し、煙が出てきたら火からおろし、花椒パウダーなどが入った小鍋に回し入れ、手早く混ぜる。
4とたれの材料を混ぜる。
ボウルに3、5を入れてよく混ぜ、きゅうりを加えて混ぜる。
大皿にレタスとトマトを並べ、その上に6を盛りつける。最後に小ねぎをふりかけ、完成!
ラー油を材料から作る棒棒鶏で、香ばしさとコクが際立つ本格的な一品です。たれは蒸した鶏肉のほか、そうめんに混ぜたりしてもおいしくいただけます。ラー油は簡単に作れるので、ぜひ手作りに挑戦してみてください。※冷蔵庫に保管で一カ月ほど持ちますが、早めに使い切りましょう。
(by記者)
イニさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!