多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!
第93回目はオーストリア共和国。中央ヨーロッパの国で国土は東西に細長く、面積は北海道とほぼ同じくらいです。今回は、ウィーンの「ザッハーホテル」などの五つ星ホテルでパティシエとして勤務していたヤニックさんに、オーストリアのお菓子を教わりました。
食や歴史など、日本文化の探求がとても楽しいです!妻と一緒に日本の国内旅行もよく行きます。
スイスで現在の妻に出会い、その後オーストリアに移住。ウィーンの「Grand Hotel(グランド ホテル)」や「Hotel Sacher(ホテル・ザッハー)」でパティシエとして働いていました。そこでの仕事はとてもやりがいがありましたが、妻が外交官として働いているため、私たちはその後も他の国に引っ越すようになりました。
そしてあるとき、妻の上司の赴任先リストに書かれていた国は「日本」!日本はいつか行ってみたい国の一つだったので、ラッキーでした。そして1年前に来日しました。
オーストリアでは数年間ウィーンに住み、その後ハンガリーの国境に近いオーストリア南東部のブルゲンラント州に引っ越しました。ウィーンから車で約1時間の距離です。そこは大陸性気候で、冬は雪が降り、春は穏やか、夏は乾燥して暑く、秋は雨が多いという、はっきりとした四季がありました。ただ、近年は気候変動の影響で変化が著しいです。
オーストリアの食文化は、異なる民族が一緒に暮らし働いていた大帝国としての歴史の影響を強く受けています。大都市はこれらの異なる文化のるつぼでした。それらの融合が、おいしい料理を生み出しています。
特にオーストリア東部・ハンガリーとの国境沿いに位置するブルゲンラント州では、ハンガリーからの影響が多く見られます。地元の高品質な食材を使ったレシピが多くあり、キャベツやニンジン、セロリ、パプリカ、キノコなどが人気です。秋にはガチョウの肉もよく使われます。
まず思い浮かぶ発酵食品はザワークラウトですが、実際にはもっとたくさん存在します。乳製品はまず、チーズですね。オーストリアは重要なチーズ文化がありますから。ヨーグルト、サワークリーム、トプフェン(オーストリアのフレッシュチーズ)は日常の献立に欠かせません。乳製品は、料理をよりクリーミーにするためにも使われます。
オーストリアでは乳製品が非常に人気です。すべての種類が人気だと思うほどです。ヨーグルト、サワークリーム、クリームチーズ、カッテージチーズ、ホイップクリーム、バターミルク、乳清などなど、リストにすると長くなりますね。
デザートとして食べることが多いかもしれません。プレーンヨーグルトは新鮮な果物と一緒に食べたり、お菓子の生地に混ぜたりします。料理では、リッチなサワークリームより軽く、健康的な代替品としてよくヨーグルトが使われます。
スーパーマーケットでは、シンプルなプレーンタイプをはじめ、甘みがついたもの、フルーツ入り、ギリシャやブルガリア、そしてドリンクタイプなどさまざまなヨーグルトが並びます。
かつて、オーストリアの皇帝が好んだお菓子として有名です。今では家庭でよく作られており、田舎ではもっとシンプルに作ります。子どもたちも大好きです。表面はカリカリで、中はしっとりとした口当たりが理想的ですが、ヨーグルトがそれを助けてくれます。今回のレシピでは「梨の赤ワイン煮」の作り方もお伝えしますので、ぜひ一緒に作って召し上がってみてください。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
240g
カッテージチーズ
140g
卵黄
6個分(120g)
バニラシュガー
18g
塩
3g
小麦粉
228g
牛乳
120g
ラムレーズン
40g
※お好みで
卵白
6個分(180g)
砂糖
90g
レモンの皮
1/2個分
粉砂糖
適量
バター
120g
砂糖
60g
赤ワイン
1本(750ml)
黒砂糖
100g
薄切りレモン
1個分
薄切りオレンジ
1個分
グリーンカルダモン
2個
シナモンスティック
2本
クローブ
5個
スターアニス(八角)
2個
バニラシュガー
10g
ラム酒
30ml
梨
2~3個
ボウルにヨーグルトとカッテージチーズを入れて混ぜ、卵黄、バニラシュガー、レモンの皮、塩を加えてさらに混ぜる。
1に小麦粉と牛乳を少しずつ加え、滑らかになるまで混ぜる(お好みでラムレーズンを加える)。
別のボウルに卵白と砂糖を入れ、一気に泡立てる。泡がふんわりと角が立つ状態になったら、2の生地に加え、さっくりと混ぜる。
オーブン対応のフライパンを火にかけバターを溶かし、3を流し入れる。200℃に予熱したオーブンに入れ、15~20分ほど焼く。
オーブンからフライパンを出し、フライパンを逆さにして生地を取り出し、あら熱を取る。
5の生地をサイコロ状に切り、さらに崩して不規則な大きさにする。
6をフライパンに戻して熱し、Aのバターと砂糖を少量ずつ加えて溶かしながらキャラメリゼする(お好みでラム酒をかけても◎)。
7に焼き色が付いてきたら火からおろし、熱々のうちに粉砂糖をかけてできあがり!
梨の赤ワイン煮を作る。鍋に梨以外の全ての材料を入れて火にかけ、沸騰したら火を弱める。梨の皮をむいて半分に切り、さらに四等分に切って鍋に入れ、弱火で1時間ほど煮る。鍋を火から下ろしあら熱が取れたら梨を取り出しておく。ワインを濾してスパイス等を取り除き、好みの濃さになるまで煮詰める。梨を細めに切って器に盛り、取り除いた薄切りオレンジを添え、煮詰めたワインをかけてできあがり!※飾りつけに葉を添えてもよいでしょう。(写真はゆずの葉)
しっとりとした生地に、ほのかなラム酒の香りが口いっぱいに広がり、大人っぽい味わい。比較的簡単にできるケーキですが、デコレーション次第で豪華にもなります。年末はクリスマスなどのパーティが多くなる季節。簡単にたくさんケーキを作りたいときにもオススメです。
(by記者)
ヤニックさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!