多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!
第94回目はハンガリー。中央ヨーロッパに位置し、オーストリアやルーマニア、セルビアなどに囲まれた内陸の国です。今回は、セルビア出身でハンガリー人のドナルドさんにヨーグルトを使った料理を教わりました。
ハンガリーでは、妻の影響でハンティングをしていました。日本では妻と一緒に旅行を楽しんでいます。
私はセルビア(旧ユーゴスラビア)で生まれたハンガリー人です。ハンガリーのレストランで、プロの料理人として10年ほど働いていました。妻の仕事の関係で、これまでさまざまな国の都市で暮らしました。ロンドンやジュネーブ、ニューヨーク、そして東京です。2021年に妻の仕事の関係で来日し、現在自分はハンガリー大使館で働いています。
私はハンガリー南部のセゲドに留学していました。セゲドは美食の街としてとても人気があり、街のあちこちに伝統的なハンガリーのレストランがあります。食文化は、ハンガリー国内ならそれほど地域差はありません。
「セゲディ・ハラースレー(szegedi halászlé)」と呼ばれる魚のスープは、名物料理の一つです。そのほか、牛肉と野菜をパプリカで煮込んだ「グヤーシュ・レヴェス(gulyás leves)」、ひき肉をクレープ(パラシンタ)で包んでパプリカソースとサワークリームをかけた「ホルトバージ・パラシンタ(hortobágyi palacsinta)」、「ランゴーシュ(lángos)」なども有名です。
カッテージチーズやヨーグルト、「サワードゥ」という天然酵母を使ったパン、キャベツの漬物であるザワークラウト、キュウリのピクルスなどが、一般的によく食べられている発酵食品です。乳製品は、プレーンヨーグルトをはじめ、フレーバーヨーグルト、チーズ、サワークリーム、カッテージチーズ、ケフィアがよく食べられています。
ヨーグルトは一日中よく食べています。例えば、朝食のパンにプレーンヨーグルトを添え、午後、甘いものを食べたいときにはフレーバーヨーグルトを。夜はプレーンヨーグルトを料理に使います。スーパーマーケットでは、日本と同じようにさまざまな種類のヨーグルトが大小の容器で売られています。
ハンガリーの家庭料理の一つです。コールラビはビタミンが豊富。ヨーグルトソースが添えられていることで、肉の消化を助けると言われています。特別な日ではなく、好きな時に調理して食べています。
また、コールラビはカボチャでも代用できます。出来上がりの色は変わりますが、甘みが増しておいしいですよ。
コールラビ
4個
※大きめのかぶや聖護院大根で代用可
玉ねぎ
1個
にんにく
1片
サラダ油
小さじ1
鶏または豚のひき肉
200g
塩
適量
こしょう
適量
野菜ブイヨン
300ml
ローリエ
数枚
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
300ml
つぶしたにんにく
2片分
ディルのみじん切り
小さじ1
サラダ油
大さじ1
塩
適量
ディル
適量
コールラビの葉の部分を切り落とし、表面の皮をむいたら、中心をスプーンでくり抜く。くり抜いた部分は捨てずに、鍋に入れておく。
玉ねぎとにんにくをみじん切りにし、熱したフライパンに少量の油を入れて炒める。焼き色が付いてきたら、ひき肉を入れて混ぜ合わせながら炒め、塩、こしょうで味を調える。
中心をくり抜いたコールラビに、2を詰める。
1の鍋に3を入れ、3が2/3ほど浸かるように野菜ブイヨンを注ぐ。ローリエを加え、ふたをして20~25分ほど煮る。
煮ている間にヨーグルトソースを作る。フライパンに油をひき、にんにくとディルを入れて中火で熱し、香りが立ってきたら弱火にしてヨーグルトを加えてよく混ぜ、塩で味を調える。(味が濃い場合は4の煮汁をかけて薄める)
器に5を注ぎ、その上に4のコールラビを盛り付けたら、さらにその上から5をかける。最後にディルを添えて出来上がり!
「コール」はキャベツ、「ラビ」はカブという意味で、形こそ珍しいですが、味わいや食感は日本のカブに似ている野菜です。ディルの香りが漂うヨーグルトソースをからませ、コールラビをナイフで切ると、ジュワッと肉汁があふれます。ハンガリーでは家庭料理ですが、盛り付け方次第で特別感の出る一皿が演出できるでしょう。
(by記者)
ドナルドさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!